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北海道 フィールドワーク日記 その2

 3月の半ば、まだ冬が続いている北海道に調査に出かけた。その調査の裏側・・・起きた出来事、経験したこと、思ったことなどを淡々とまとめていこうと思う。

3月14日~15日 阿寒湖
 半年ぶりの阿寒湖畔だ。前回は来た時は1週間半ぐらい滞在したのだが、今回は実質1日半だ。滞在時間はすごく短い。だから、タイトなスケジュールで行動しないといけない。
 10時過ぎに出る釧路駅発のバスに乗って、2時間かけて阿寒湖畔にたどり着いた。時間はお昼を過ぎていた。バスは釧路の市街地を抜けて、大楽毛や釧路空港、徹別などを経由しながら阿寒湖畔に至るのだが、阿寒湖畔に向かうにつれて、だんだんと雪が深くなっていると感じた。
 阿寒湖畔について宿に荷物を置き、真っ先にある場所に向かった。それは阿寒湖である。というのも、この時期の阿寒湖は結氷していて、湖の上を歩いたり、ワカサギ釣りをしたり、スノーモービルを楽しんだりすることができるのである。ちなみに、私は凍った湖に行ったことは一度もない。そのため、結氷した阿寒湖の上を歩くことが一つの楽しみであった。
 湖畔の小路から凍った湖に足を入れる。足元には雪が積もっていた。そのため、あまり滑る感じはしなかった。日差しは決して強くなかったが、一面銀世界である。そのため、氷上からの反射が少しまぶしく感じた。だが、体感温度はそこまで寒くなかったと思う。もしかしたら、楽しさのあまりに寒さを忘れていたのかもしれない。初めての体験で、終始少しウキウキした感じで、凍った阿寒湖を散策した。

結氷した阿寒湖の氷上

 時間帯はちょうどお昼である。阿寒湖を散策した後は、食事処を探すことにした。湖畔の遊覧船乗り場には、うどんやラーメンが食べられるお店がある。しかし、冬は営業していないようだ。そのため、近くの飲食店を探すことにした。
湖畔には、奈辺久というお店がある。主に丼ものや蕎麦などが楽しめるお店であるが、今回はこの季節らしいあるものを注文した。そうそれは、ワカサギの天丼である。先ほども記したように、ここ阿寒湖ではワカサギ釣りが楽しめる。ワカサギ釣りは冬の風物詩だ。ここでワカサギを楽しまない手はない。
 しばらくして、料理が手元に運ばれてきた。まず驚いたのはそのボリュームである。

奈辺久で食べたワカサギの天丼。積み重なるようにワカサギの天ぷらが盛られている。

なんと、ワカサギの天ぷらがご飯に橋が届かないほど山盛りだった。これでは、心ゆくまでワカサギを堪能できるではないか。料理が運ばれて早速、どんぶりに箸をつける。
 まず、天ぷらを食す。タレと天ぷらがマッチしていておいしいのはもちろんだが、何よりも身が柔らかい。ワカサギ一匹を丸々上げているが、嚙むと直ぐに口の中でほどけていく。そのくらい柔らかい。そして、タレがかかっていないところもおいしかった。というのも、やさしい塩味を感じるからである。これもごはんとよく合う。衣の塩味なのかワカサギ本来の塩味なのかはわからないが、とてもおいしかった。あまりにもおいしかったので、橋が止まらず、あっという間に完食してしまった。
 そして、日が暮れて、夕食の時間になった。前回、夏に来た時によく言ったお店がある。それは湖畔の東側にある「味心」というお店である。夏に来た時は4,5回ほど通ったと記憶している。そのため、今回の阿寒湖滞在で、味心に行くことがもう一つの楽しみであった。
 「味心」では、「鮭トロ丼」という料理を注文した。鮮やかで明るいオレンジ色の切り身がごはんに盛り付けられたその料理を食べると、口いっぱいに脂が広がるのが分かる。味付けはわさび醤油だったが、そのシンプルな味付けが、切り身の脂を強調する。本当においしい。こちらもペロリと完食してしまう。


阿寒湖アイヌコタンの看板

 阿寒湖は本当においしいお店が多い。夏に行ったところも含めると、まりもラーメンがある「あずさ」、ちくわパンがおいしい「パン・デ・パン」、そして夏冬と宿泊でお世話になった民宿の「両国総本店」…などたくさんある。阿寒湖ではグルメも楽しむのもいいかもしれない。
 阿寒湖畔はもちろん、冬は雪が多いところだ。道のほとんどが雪で覆われているということはありうる。足元周りの対策は必要だ。実際私も、足を滑らせてしまい、膝を地面にぶつけてしまった。バランスを崩して転倒をするという形ではなく、なぜか重心が真下に落ちるかのように崩れてしまった。しばらくは正座ができないほどの打撲になった。ちょっと滑りやすい靴で行ってしまったのがいけなかった。冬の阿寒湖を堪能したい方は、すべり止めがしっかりとしている靴やアイゼンを持っておくといいかもしれない。(続く)


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