BLMと暴力と

今日の関心事はBLMです。もう大体Twitterに書いてしまったのでそれをはりつけます。

6月にも一度twitterで書いていてそれを踏まえた話になっているからいくつか話をしておこうと思います。

まず今回のBLMが主張するものは黒人差別の撤廃であって、それ自体に批判される筋合いは全くない。「黒人第一」なんてもってのほか。

ではなぜ今回賛否両論があるかと言われればその残虐性に見出すことができる。言ってしまえば暴力を伴っているからだ。その暴力・残虐性のおかげで特にネトウヨから批判が飛び出すし、そうじゃない人から見ても忌避したいな、という感情が出てしまう。

だからこそ(?)僕は6月に敢えて「暴力の正当化」を試みた。その論理はこう。

①マックス・ウェーバーの暴力装置に着目する。国家が国家であるゆえんは暴力を独占しているからだ、という論理。←これはのちにアーレントによって批判されているみたい。

②ではなぜ暴力の独占が容認されるのか、に注目する。そこまでマックス・ウェーバーに精通しているわけではないので誤りがあると推測されるが、僕の中での回答は「赤の他人に持たれるよりまし」というもの。国家という可視化されたものに預ければ安全だろうし、参政権によってあるべき姿に関する意思決定にも参加できる。

③ただし、黒人は暴力を預けるメリットを享受できない。契約が成り立たない、と言ってしまってもいい。

④その場合、メリットを享受できない側は契約を破棄するだろう。つまり、暴力を自分たちのほうに引き戻すことを選ぶ。その方がメリットが大きいから。そうすると、国家は暴力を独占できなくなって混乱に陥る。

こういうことを抜きに「暴力はいけない」とただ叫ぶだけは理想論だと思う。なぜなら、暴力は「合理的な」行動だから。

なんとなく分かってもらえたかな?

ただね、やっぱり暴力はいけないと思うんですよ。「正当化」って書き方は反省材料であって、僕は暴力容認派ではない。

なんて言ったらわからないけど、この類の運動に暴力は「不可避」だと思うんですよね。←政治家がしゃべったら炎上案件なんだろうなぁ。。。

だからこそありのままを受け止める必要がある。暴力の称賛はもってのほかだし、容認はできないけれども、ただ単に暴力反対を叫んで、この運動を貶めようとするのは問題の本質が見えなくなってしまう。

そういう価値判断だけにとどまらず「なぜ暴力は起こっているのか」に注目する。「その場の怒り任せ」ではここまで長続きしない。「誰か黒幕がいる」は一部の人には耳障りのいい話だろう。「今まで差別された仕返し」なのか。ではなぜ無関係なものまで巻き込まれるのか。こんなの話していたらきりがないし答えはもっと複雑なもの。

そういうのを1個1個取り除いていかない限り、問題は収束しない。さっき、「暴力反対」と単にいうのは理想論だといった。なぜか? 問題解決のためには原因を探さなきゃいけないから。

暴力を「使わせてしまっている」社会に注目するという視点が必要。黒人という集団に帰属する行為に反対の立場をとる。

僕の意見の理論的背景は障害者の社会参加の障壁を障害者個人にではなく、社会の側、つまり、社会の側に原因があるんだ、とする社会モデルの考えからとってきている。


 「個人モデル」とは、障害者が困難に直面するのは「その人に障害があるから」であり、克服するのはその人(と家族)の責任だとする考え方である(6)。それに対して「社会モデル」は、「社会こそが『障害(障壁)』をつくっており、それを取り除くのは社会の責務だ」と主張する。人間社会には身体や脳機能に損傷をもつ多様な人々がいるにもかかわらず、社会は少数者の存在やニーズを無視して成立している。学校や職場、街のつくり、慣習や制度、文化、情報など、どれをとっても健常者を基準にしたものであり、そうした社会のあり方こそが障害者に不利を強いている――と考えるのが「社会モデル」である。「障害があるから不便(差別される)」なのではなく、「障害とともに生きることを拒否する社会であるから不便」なのだ、と発想の転換を促すのである。

黒人だから…ではなく「黒人とともに生きることを拒否する社会」を変えなければいけない。

BLMは政治問題ではない。何故かはツイートに書いたけど政治問題は対立構造を前提にしているけどBLMに対立者が想定できない。だからまずは社会問題としてとらえる。対立構造よりも1つ高次元なもの。その上で「自分事」としてとらえていきたい。自分たちが見知らぬうちに加害者になっていないか、被害者になった時にきちんと声を上げられるか。


追加:似たような記事があったので

↑暴力は仕方がない。と言って許容するのも違うし、ただ反対って叫ぶのは簡単。ただこれは同調圧力というか、「みんなの問題」として考えたい。


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