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怖い怖い私を救ったのは子ども達だった~前編~
皆さん、いつも読んで頂きありがとうございます。今日は怖い怖い私にななったきっかけをお話したいと思います。
子どもが少し大きくなり一軒家を購入した。住み始めてわかったことがある。窓を開けると、家から少し前にある原っぱに、知らない車が来るような場所だった。夜になるとカップルだったり、3台くらいの友達同士でやってきて、ずっと居座る。前の夫は「だたいるだけだから。何もされないのだから」と私を諭し、あまり言うとひどく怒られた。そのうち、窓の外に車のテールランプを見る度、心臓がドキドキするようになった。
前の夫は単身赴任になり、家には私と2人の子どもだけ。夜の10時頃。子どもと一緒にベッドに入っていると、シュンシュンと車がやってくる音が聞こえる。「来た」と胸がドキドキしだす。そして私は聞きたくないから耳栓をする。それでも「はははは」という声は聞こえる。耳栓をしても小さな声を拾ってしまうのだ。テレビや音楽を流しても、なぜかそこだけ聞こえてしまう。気にしないようにしようと努めれば努めるほど、なぜか自分から拾いにいっている感覚にもなった。
もともと耳が敏感であると共に感覚が敏感である。知らない人の気配はダイレクトに自分に影響していった。
知らない車は昼間でもくる。騒ぐことはないが、ただその存在が私を苦しめることになった。夜は眠れなくなり、朝はまだましだが、また夜がくると思うと夕方から気持ちが重苦しくなる。隣の家の人は車の存在は知っていたが、気にしていないようで、私の気持ちをわかってくれる人はいなかった。それが余計に私を孤立させた。
私はこの頃が一番しんどかった。前の記事にも書いたが人が怖くなっていった。そして、なんとか自分の家を必死で安心できる場所にしようとした。警察に通報したり、そこ一帯を分譲開発した会社に相談したりした、でも入ってくるなと禁止にすることはできなかった。
なぜ自分はこんなにも気になってしまうのか。どこかおかしい。以前もマンションの上の階の子ども達のはしゃぐ音が気になって仕方なかった。綺麗な家に住めているのだからもっと生活を楽しみたい。このままではだめだ。なんてだめな母親なのだろう。でも変わりたくても自分を変えることはできず自分を責める毎日だった。
ここを出たい。いつもそう思っていた。でも家を購入したのだから、出られない。何年か経って、思い切って両親に夫と別れて実家に帰りたいと言った。その頃、バツイチになり実家に帰ってくる人は近所にはたくさんいた。しかし、両親は家にやってきて私を責めた。「我慢が足りない」 母親は最後に「あんたは自分でなんでもできると思いなさんなよ!」と叫び出ていった。
その言葉は私を愕然とさせ、もう何を言っても無駄なように感じた。外の知らない人が怖いというよりも、ここからもう出られないという現状が私を苦しめた。何か重たいコンクリートが上に乗っかっているような感覚だった。後々になって知ったことだが、両親が家に来る前に夫は両親に「絶対止めてください」と電話をしたそうだ。
両親はなぜわが子より夫の方を信じたのか。私だったら子どもを守る。私が本当にわかってほしかったのは母親だった。「そうか、そんなに辛かったんだね」と言ってほしかった。その一言で、すべて救われるような気がした。でも、母親は私と子どもが家に帰れば離婚して帰ったと近所の人に知られてしまうのを恐れていた。娘よりも体裁や経済力のある夫を優先させた。
そして私はもう誰も信用しないし、心を閉じて生きていく覚悟を決めた。
後編へつづく
ここまで、読んでいただき、ありがとうございました。