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『MARRIAGE PROJECT マリッジ・プロジェクト』Vol.2 初めてのファッションショー クラブ好き女子が、 〝世界にたったひとつのオリジナルウェディングパーティ〟を創るフリープランナーになるまでのStory

Vol.2 初めてのファッションショー


通っていた専門学校で、模擬挙式の準備が始まる。

〝模擬挙式〟とは、

名の通り、本物に似せて結婚式を行うこと。実際の結婚式を想定して、新郎新婦をはじめ、結婚式当日にお手伝いするスタッフも学生スタッフで行う。

ウェディングプランナーになったら...と期待を膨らませながらの施行。


新郎新婦は、どんな気持ちで挙式当日を迎えるのだろう...

衣装、着付け、装花、音響、司会者、カメラマン、映像、ヘアーメイク 、サービススタッフ、シェフ、パテシエで入るなら...

さまざまな立場から見れてとてもおもしろかった。

でも、なんだろう。何かが物足りない。

そうだ。
私たちは、ただ学校で言われたことを
プロセス通りになぞっただけだった。

今すぐ何か自分で企画をしてみたい。
学生のうちにしかできないとこがある。
繋がり広がるコミュニティがある。
そして、その経験は、きっと未来を
強く後押ししてくれる。

そう思い立って共感してくれる友人たちと、
初めてのファッションショーを開催することにした。

アルバイトと学校の合間を縫って、
山野美容専門学校、桂由美専門学校、バンタンデザイン研究所、文化服飾学院、さまざまな専門学校の前で、生徒を待ち伏せしては、ヘアースタイルやファッションが奇抜で面白く、素敵な衣装を創ってくださりそうな方に声をかけた。


〝今しかできないことがある〟

突然声をかけてくる人に、警戒しない人はいない。

私にとっても、おおきな勇気が必要な行動だった。

ひとりひとり真剣に向き合って、そう。
口説いた。笑

私の企画を、おもしろそう!と、共感をしてくださった方々が思った以上にたくさんいたことが嬉しかった。

素敵な人!と思えた方々と一緒に、ひとつのチームになり、同じ方向に向かえることが嬉しかった。

今度はみんなが創った衣装と、
それを着てくださるモデルさんを街中で探す。ウェディングのファッションショーだから、
〝最高に幸せな笑顔〟で、歩いてくださる方がいい!

青山、代官山、原宿、渋谷エリアを中心に
スタッフと、モデルハントする日々。

背後から声をかけると、警戒され、驚かれてしまうので、なるべく、相手の方の視界に入ってから。目を合わせて、しっかり向き合って、私たちの想いを伝える。

この時の経験は、
わたしのウェディングプランナーとしての
営業の基盤になったと思う。

「貴重な時間をいただきたい。」
「一緒に協力してほしい。」
「あなたの力が必要だ。」と、

真剣に、丁寧に、まっすぐ伝えた。

スタッフの協力と、私たちの想いが通じて、モデルさん合わせて30名近くの人が集まった。

あとは会場の決定と、ゲストに観に来てもらえるようにinvitation作成。ファッションショーに合う音のセレクトが必要。

フライヤーを作成してくださるデザイナーを友人づてに紹介してもらい、出来れば、小さなクラブでやりたかったのでDJの友人に「良い場所がないか。出来れば、BGMもお願いしたい」と相談した。

当時、今のようにまだ
Facebook、Instagram、Twitter、などのSNSがなく、あるのは、mixiとEmailだった。

もともとライブハウスやクラブに行くのが好きだったわたしは、DJやバンドマンの友人が多くいた。

その中でも、誰よりも熱心にmailでパーティの告知をしてくださったのが、ファッションショーの舞台となった、恵比寿にある「MILK」を紹介してくれたDJの彼だった。

彼の書く文章が好きで、どこか、あたたかみがあり、なんて楽しそうなパーティなんだろう。とクラブに行く前からゲストの期待を膨らませてくれる文章を書く人だった。

そして何よりも、彼自身が誰よりも楽しそうにDJをしている姿を見て、この人なら、きっと力になってくれる。一緒にファッションショーを創りたい。と強く思わせてくれた。

この時の行動が、このあと、
西新宿にあるフォレストマンションのルームシェアに繋がり、わたしの音好きを加速させ、今の独自のウェディングスタイルに繋がることとなる。


ファッションショーは、大成功に終わる

つい最近まで、なんの繋がりもなかったメンバーが、ひとつのチームとなり、同じ目標に向かった。

ウェディングドレスとカラードレスは、日暮里の問屋街で、生地を探すところからはじまった。へッドドレスも、細部まで拘った。

和装は、高円寺で見つけてきた、ヴィンテージの生地や、アンティーク着物に、レースをふんだんに縫い合わせて、とても素敵な衣装がどんどん出来上がった。

何度も打合せを重ねて、デザインナーさん、衣装さん、ヘアーメイクさん、モデルさんたちも。夜遅くまで、自宅に帰ってからも自主練習してくださったりウォーキングしてくださった。

「このイメージなんだよね。」と、わたしが、渡したVTRを、何十回も観てくださった。


さまざまな経験と、出逢いをくれた。
わたしが、生まれてはじめてディレクションしたファッションショーは、改善の余地を残しながらも、大成功に終わった。

最後に、みんなからもらった さまざまな想いが詰まった、

抱えきれないほどのおおきな花束を、

ずっとずっとわすれない_。



打合せの合間に..


ファッションのショーの会場、恵比寿「MILK」の店長を紹介してくださり、

音響も担当してくれたDJの彼と、ファッションショーの打合せの合間に渋谷にあるスペイン坂の近くの大戸屋でご飯を食べた。彼は、新しい生活に期待を膨らませていた。

「もうすぐ、西新宿に引っ越すんだ。マンションが11階でね、夜景のポスターが貼ってあるみたいだよ。DJの友人たちとルームシェアする予定だよ。あそびにおいでね。打合せをそこでしてもいいよ。」

と、言ってくれた。

いいなあ、夜景のポスターかあ、友達と一緒に住むなんて、にぎやかでたのしそう!

西新宿のマンションに遊び行く日を
楽しみにして家に帰った。

〈プロフィール〉

▶︎浅野 はずみ
ウェディングプランナー/空間デザイナー

規制が多く自由に選択することのできない、クォリティが不透明な 由来のウェディング業界の型にはまったウェディングを根本的に見直し、本質的なウェディングへの表現と可能性を追求し提案する。日本のウェディング業界をより良いものへとする活動家。MARRIAGE PROJECT/マリッジプロジェクト代表取締役、運営者。アウトドアウェディングのディレクション、空間デザインを得意とする。

▶︎ホームページhttps://marriageproject.theblog.me/


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ハズミィ/浅野はずみ
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