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AIにカウンセリングはできるか

「AIにカウンセリングができるようになるのか」というのは、多くのカウンセラーの気になることのひとつだろう。

AIがものすごいスピードで発展するなか、自分の仕事が奪われるかもしれないという不安は、どのような職種の人であれ、感じていることだと思う。

フロイトは、「カウンセラーは真っ白なスクリーンであるべきだ」と言った。

カウンセラーは、クライエントの悩みを映し出すものとして存在するべきであり、自身の体験や思想やトラウマを挟み込むことは、あってはならない。

よって、まずはカウンセラー自身がカウンセリングを受け、自身の課題を克服することが第一である、とした。

もちろんそれはAIのない時代。

私は、真っ白なスクリーンに最も近いのはAIではないかと思う。

AIに、AI自身のトラウマや偏りはなく、感情に振り回されることもない。

AIは、蓄積された莫大なデータを参照しながら、淡々と、目の前にいる人の課題を分析し、突きつけることができる。

もし、フロイトのいう「真っ白なスクリーン」にどれだけ近づけるかという勝負をすれば、AIには到底敵わないだろう。

だから私は、「真っ白なスクリーン」になろうとすることをやめる。

本当は、「だから」というわけでもないのだけれど、私は人間の部分でカウンセリングをしたい。

とはいうけれど、人間の部分って、なんだろう。

私は、AIにほめられてもあまり嬉しくない。

人間にほめられる方が嬉しい。

AIと友達にはなれない。

そういうところに、「人間の部分」は関係しているような気がする。

そして、私がやりたいカウンセリングは、「人間の部分」を用いながら行うものである。

自分の思考や行動をAIに分析してもらって、あるいは心拍数などの計測をしてもらって、その結果を自分にフィードバックすることで、自身の状態をモニタリングしていく、そういう心理療法もあるから、カウンセリングが必ずしも「人間の部分」を用いるというわけではない。

AIのように華麗に問題解決をすることを目指すカウンセリングもあるし、それはさまざまである。

だから結局は、カウンセラーの考え方の問題。

AIにカウンセリングはできるかという問いには、カウンセリングの手法によっては、AIにもできるようになるだろうと答えたい。


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