そよかぜすてっぷ

法遵守。かわいいお花と他人の別れ話がお好き。 家の中でギターを弾き、時々みんなの事を思い出します。

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法遵守。かわいいお花と他人の別れ話がお好き。 家の中でギターを弾き、時々みんなの事を思い出します。

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宵も惡いも

ようやく眠れそうになったところで、電車は静かに止まりました。白み出した夜空の端っこが、ゆっくりと、私がこの夜数えた星とその奥に広がる青を、ひとつ、またひとつと拾ってしまい込んでゆきます。その狭間を飾る鮮やかな赤が雲を渡り歩いているのは畏怖の混じる美しさです。車内に四角くこぼれる光。うんざりするほど、今日は天気がいいや。

    • お別れをした。

      お別れをした。新しい靴を買った日だった。 最後にと、知らない歌を恥ずかしそうに、声の端っこで口ずさんでくれた。 こんなに素直なひとが居るのだとびっくりしてしまった。 映画を見て哀しむ時はのどがきゅっとなるのに、わたしたちがさよならをして寂しがる時は、体のまんなかがぎゅっとなると知った。そりゃ昔の人はこれを心と呼ぶよねと思いながら、どうやら歌い終わった素直なひとはちりんちりんと帰ったので、わたしもてくてく帰ることにする。 お別れに歌を贈ってもらったのは初めてで、寒空の駐車

      • そんな顔してない。

        肌触りのいい緑色のシートを黒く透けた街並が滑らかに走るのを、うとうと眺める。ぐつぐつ、がたん、ちいちゃく、はげしく、車体と一緒につり革が仲良く揺れるのを見ている。 あと二駅のったら学校の最寄り駅だけど、今開いてる扉を眺めていると、向こうから差す日光の束が、暖房の効いていない場所からの肌寒い風が、ふゆりふゆりと私を誘う。肩につかない髪の毛をさらりとくぐるひんやりとした風が気持ちいい。慣性の法則がわたしの腕をつかみ、扉の外へ引っ張ってるかもと思う。現実に降りなきゃいけない前に、私

        • あなたの住む星はもっと、

          1番おっきい爆弾を世界に落としたら、猫だけを抱えてふわりと宙に浮かぶつもり。真っ黒い毛をほっぺたで撫ぜながら、赤く燃え盛る青かった星の、悲しみが消えるのを、黒く煤けてゆくのをみるの。寂しかろうしょうがない。可哀想だけどそうしないとダメだったのでもあっけない。あなたの住む星はもっと、しゃぼん玉が弾けるかのようにおわるんだと思っていたよ。終焉に飽きたら夜空に埋葬、これからなんてないけど、いつまでもここに居られる訳でもない。朝日が昇る前に全部、灰になれ、灰になれ。

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          16:14

          西日がいっぱいに、いっぱいにあたる部屋で、小さい頃に乗ったメリーゴーランドのことを思い出していた。 ベランダの白い格子は、機械の周りをぐるりんと囲む柵に似ていた。 つよい、つよい、明るい明るい16時のお日様が、まだお昼の時間かもしれないと思わせてくるのが寂しいな。寂しいな。私はいつも窓際にいた。 まどぎわで、窓際で、まどぎわで、まどろみながら、ギターをもっていた。 ねむたいから、眠たくてもやめたくないな。何を弾くわけでもなく、ネックをにぎりなおす。終わろうとする日を終わら

          どうしょもないちんげーーーる

          考え事に負けちゃったお昼時、罪滅ぼしに歩いて違う部屋のすみっこを拝借、コーヒー代を払う。 戦略を練りながら絶望する、敵いっこない人に盾突く覇気を、つくろうか、やめとこーか、音楽を、捨てちゃおっかな〜ァの日。 こんなことさえもきっと歌詞にしちゃうんだから、救えないね。

          どうしょもないちんげーーーる

          あたしって

          あたしって家族の中で特に優しい。 そりゃもうとっておきに優しいんだけど、そんなのはお金にはならない。きょうだいは賢くて面白くてそれがとても羨ましい。でもあたしは優しい。優しさにしがみつきながら自分を慰めて、悲しくないふりをしながら自分を責めてるのがみっともなくてしょうがない。2人みたいになりたいし、なれないからしにたい。

          だってあなたはセンスがない

          あなたが教えてくれた曲は全部、プレイリストから外したよ。自由になった曲はぱたぱた、窓から出ていっちゃったのでもう戻ってこないといいなと思った。木陰を通りまた木漏れ日を浴びてきらきら、澄んだ青い空気をかき分けて進むのを、窓辺に背伸びし見えなくなっても見送った。あなたの事が、大切だった。

          だってあなたはセンスがない

          あかんねんほんま、ほんまあかんねん

          友達の知り合いの猫も死んだようだし、今日のところは立ち直れない。 あそこに立ってる聖者にも青空を見ないでいるための傘があるなら嬉しい。

          あかんねんほんま、ほんまあかんねん

          さんげちゅき

          私の場合、受け取ったのは矛盾だった。 それをまた、訳の分からないままに抱えて、向くべき方向を向いて進むのがよい。進むのがよいのだ。あなたの場合を知らないから苦しい。知らないから苦しいだけだ。

          たぶんあんたの親もそう。

          その人の文章は重苦しい。その重苦しさが正しそうで好き。正しいかもしれないものが好きなのだ。

          たぶんあんたの親もそう。

          違うのでしょうね

          喉を落ちる野菜ジュースの、すっぱい後味だけが場違いにいつも通りね。 深夜2時に馴染んだ南アルプスが誰の興味を引くことも無く四角くベットを照らしてる。 2の粉がクライマックスの知育菓子が食べきられないまま飽きられて、ホテル特有のなんの荷物も載せる気のないちいちゃな机に置いてある。 どうでもいい散らかった部屋を眺めるほど、あなたとの時間が退屈なの、愛のせいかしらね、違うのでしょうね、はやくかえるじかんにならないかな。 あなたが私の手を取る。生ぬるい時間が始まるのだ。私も生ぬるい人

          違うのでしょうね

          まだ一緒にいたいと思いながら帰るのがいい。君を嫌いになりたくないのだ。

          まだ一緒にいたいと思いながら帰るのがいい。君を嫌いになりたくないのだ。

          優しい傍観者へ、いつもありがとねぇの意

          昼はあんまりにも騒がしいものですから、私を安心させ過ぎてしまうの。だれもかれも、安心せず静かに前を向いているのと、同じようにしている気になりたい私のことを、その喧騒を盾にただ寛容に、見ないでくれていると思う。

          優しい傍観者へ、いつもありがとねぇの意

          その顔が

          美味しかった?と聞く。さして興味は無くこの人と話したいから聞く。 まぁまぁかな、と返ってくる。その顔が笑ってるのが嬉しい。

          必要ないのに有るものがすき。 だからあなたが好きなのよ。

          必要ないのに有るものがすき。 だからあなたが好きなのよ。