📚読書メモ 上杉鷹山の経営学
歴史的な成功事例から現代のビジネスパーソンに役立つ教訓を得ることができます。みなさんは、江戸時代中期、深刻な財政危機に直面していた米沢藩を見事に復活させた上杉鷹山をご存知でしょうか?
外様大名である上杉家は、徳川初期に領地の9割を奪われたにもかかわらず、藩士のリストラが不十分でした。領地を奪われた対策として、米沢藩は藩士の25%を解雇しましたが、それでも武士対農民比率は異常に高く、藩の人口の4分の1が武士でした。この状況では、農民をいくら絞っても藩の財政は赤字になる一方でした。
そこで大名である上杉鷹山は革新的な手法で藩政改革に取り組みました。
上杉鷹山とは・・・
「経営改革というのは、たんにバランスシートに生じた赤字をゼロにすることではない。改革を進めるには、人づくりが大切だ。人づくりを無視した改革は決して成功しない。」といったことと、同時に
「客に対するサービス精神を何よりも経営の根幹に置くべきである」
という企業家精神をもって米沢藩の経営改革を行った人物です。
経営改革の手法が今風で、企業経営者やビジネスマンたちにとって知る人ぞ知る人物になっているます。
kindleの購入履歴を確認したところ、2016年11月
26日に購入していました。いったい、その時何が私に何があったのか思い出せませんが。。。
また彼は、
「絶望的な職場は譬えてみれば冷えた灰だ。しかし、その灰の中をよく探してみれば、必ずまだ消えていない小さな火ダネがあるはずだ。その火ダネはあなた自身だ。その火を他に移そう。つまり灰のような職場でも火ダネ運動を起こせば必ずその職場は活性化する。そして組織は生き返る」と明言していました。
そんな彼が常に口にしていたのは「愛民」。封建時代の大名にも関わらず、とても珍しいことです。
彼の考えは
「大名やその家臣のために地域住民が存在しているわけではない。逆に、地域住民のために大名や家臣が存在しているのだ。」といい続けました。
これは、企業経営になぞらえれば、「お客さんのために我々は存在する」という事であり
政治や行政に即していえば「国民や地域住民のために、役所や役人が存在するのだ」という事になりますね。
いってみれば、何の変哲もない当たり前のことなのだけど、この当たり前のことが、今の世の中では次第に守られにくくなっています。
彼の経営改革の二本柱
①生産品に付加価値を加えること
②同時に人づくりを行うこと
①生産品に付加価値を加えること、とは、品物を使う側やサービスを受ける側の身になったとき、われわれが差し出すものは、はたして満足を得ているのだろうか?
もっと注文があるのではなかろうか?
という疑問を常に持ち続けるということです。
そして、
「しかし、そういうことを行うにつけても、やはり人が問題だ。人が育たなければ、そういうことも不可能にな
る」
といい切っています。
この改革は成功し、やがて米沢藩は赤字を克服しました。
この頃、「米沢の棒杭の商い」というのが日本中で有名になっています。
この本はその上杉鷹山の経営改革を、わかりやすく整理したものです。