ノキア凋落の裏舞台に見る、フィンランド人の幸福思考
経営陣を襲った感情崩壊
・2000年代後半iPhoneやAndroidのスマホ登場により市場に革命が起こる
・経営陣は不安を抱えたまま、現実から目を背けた
・結果、自社OS開発失敗の判断が遅れ
・急遽行ったWindowsかAndroidかの判断も間違えた
・2009年Nokia社内の精神衛生調査の結果は酷いものだった
・社員誰も自分たちが何をしているか分かっていなかった
・そうした不安の蔓延が、経営陣は長期にわたり状況を隠蔽させていた
・独自開発OSのSymbianは時代遅れだと認めるのが困難だった
・2010年秋、新CEOに元マイクロソフトのStephen Elop氏が就任
・Symbianの廃止が決定
・これにより経営陣のメンタルは崩壊
・開発中のOS Meegoは、開発リソースの大半を注ぎ込んでいた
・しかし、それも明らかに欠陥で競争力がないと年末には判断
・社内を大きなショックが包む。多くの人が泣き崩れる
・自社OSを手放した後、WindowsかAndroidどちらを採用するか、わずか数か月で下さなければならなかった
・経営陣は悲観的な感情を引きづったままだった
・WindowsがNokiaの特別な地位と待遇を約束したことで、経営陣は感情的に流された
・しかしgoogleにとっては一つのメーカーにしか過ぎない扱いだった
・経営陣は携帯市場のリーディングカンパニーであるという自尊心を捨てられなかった
・そうした感情的な判断が重要なミスを犯した
・変化による不安に対応できず思考が停滞していた
・重要なのか経営の統制感覚を取り戻す事
・プレッシャーを軽減する為の練習が必要
・経営陣は、古い信念やビジネスアイデアが陳腐化した事を受け入れる必要がある
・事実と向き合うには時間が必要で、結論は急いではいけない
・知的には15分あれば理解できるとしても感情がついて行かない
・変化による新たな道を想像し空想し、想像力を膨らませるのだ
・この訓練は恐怖の緩和に使われるある種のセラピーである
・新しいビジネスアイデアは、過去の栄光と感情的にぶつかる
・焦らず徐々に慣らしていくのがいい
・そうする事で感情的に以前の会社のアイデンティティを手放すことができる
・そして様々な選択肢をバランスよく評価できる
・2011年、ノキアはマイクロソフトとの提携を決めた
・ウィンドウズ・フォン採用により世界のトップから転落
・かつては強いリーダーのけん引力で進むことがいいと考えられていた
・市場が安定している時は、それだけで上手く行っていた
・これからの多くの産業はそうはいかない
・AIの登場により多くの産業に革命がもたらされる
・その時、多くのリーダーは存亡の危機に瀕する
・しかし、間違った判断をした経営者をバカにするのではなく、彼らの間違いを理解しようとすることが大切
・そうすれば、ミスから学び、ミスに対してより共感的になれる
・それが経営者によるものであれ、自分自身によるものであれ
アアルト大学の教授によるコラムですが、実にフィンランド節が利いているポエムだなと感じました。
「過去には目を向けず、未来に向いて行こう」というフィンランドのあちこちで聞くマインド。
恐らくこの思考方法が、幸福度NO.1の秘訣なのではないかな?
(実際に離婚裁判やらメンタルカウンセリングやらでも、必ず出てくるフレーズです)
ノキアが携帯電話のリーディングカンパニーから転落する流れは、内容的に日本の多くの企業が直面している問題と被るので、出来事的には非常に共感するところではあります。
しかし、実際にこのマインドが新しい時代の経営者に役に立つかというと、私個人的な意見としては懐疑的。
恐らくこれの目的は、根底に国民に蔓延している不安な感情を取り除くという効果を狙っているのかな?
良くも悪くもね……。
(以下、私の個人的な見解というか心の叫びの部分です。興味のある方、投げ銭感覚で読んでいただけると幸いです。)
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