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第62回:人生は観念(認知バイアス)で出来ている
「The ONE(創造主・全てであるもの)→ 観念(認知バイアス)→ 感情 → 思考 → 行動・発言」という流れは、私たちが現実を創造するメカニズムを示す大切なプロセスです。バシャールの言葉でよく言われる「あなたが信じていることが、あなたの現実を創る」という法則を、より詳しく段階的に解説したものともいえます。
1. The ONE(全てであるもの)
「The ONE」は、バシャールが語る「創造主が全てであり、全てが創造主である(The ONE is the All, and the All are the ONE)」という原理に対応します。宇宙に存在するあらゆる存在は分離した個ではなく、根源的には同じ一つの意識から成り立っているという考え方です。
私たちは普段、物理的には“個”としての存在を体験しています。しかし、本質的には同じ源(ソース)=「全てであるもの」の一部であり、それゆえに自分が発する意識が「自分の外の世界」に投影され、それが「現実」として戻ってくる――そういう構造があります。
2. 観念(認知バイアス)
「The ONE」から生じた各個人の意識は、それぞれ固有の「観念」や「認知バイアス」を持ちます。ここでいう観念とは、「こうに違いない」「こうするべきだ」「この状況はこういう意味だ」など、自分の内側にあるルールや思い込み、世界観のことです。
• 観念は現実をフィルタリングするレンズ
私たちは観念を通じて世界を見ます。たとえば「自分は愛されない」という観念があると、周囲からのポジティブなサインよりも、自分の思い込みを裏付けるような出来事だけに目が向いてしまう認知バイアスが働く可能性が高まります。
• 観念を変えると感じ方・捉え方が変わる
このレンズを変えることで、私たちは感情や思考、そして行動を変化させることができます。バシャールの教えでは、ポジティブな信念・観念を採用することで、ポジティブな現実へとシフトできるとされます。
3. 感情
観念が生み出すのが「感情」です。観念に合致した出来事に対して、私たちは喜びや悲しみ、怒り、不安などを感じます。
• 観念(信念)をチェックするバロメーター
感情は、自分がどのような観念を持っているかを教えてくれる指標です。言い換えれば、どの観念がポジティブなエネルギーをもたらし、どの観念がネガティブなエネルギーを生み出しているかを知る手がかりになります。
• 感情は行動への燃料
感情が強くなるほど、私たちはその方向へと行動しやすくなります。ワクワクした感情なら、ポジティブな行動を起こすエネルギーになりやすいでしょう。
4. 思考
「感情」というエネルギーが発動すると、それに伴って私たちの頭にはさまざまな「思考」が浮かびます。
• 観念+感情が思考を形づくる
たとえば、「この状況は自分にとって不利だ」と信じている(観念)→「それは怖い、やばいかも」(感情)→「もう逃げ出したい」「もっと情報を集めなきゃ」(思考)といった連鎖が起こりやすくなります。
• 思考は観念と感情を正当化する
思考は、自分の観念や感情を裏付ける情報を探し、頭の中でストーリーを組み立てます。逆に、観念をアップデートしたり感情を整理したりすることで、思考の流れを変えることも可能です。
5. 行動・発言
観念→感情→思考の流れを経て、最終的に「行動・発言」という形で私たちは“現実”にアクションを起こします。
• 行動と発言が世界に与える影響
私たちが発する言葉や行動は、そのまま自分の外の世界へと投影され、周囲の人や出来事に影響を与えます。バシャール流に言うと、「What you put out is what you get back(あなたが出したものを、あなたは受け取る)」ということです。
• 現実が再び観念を強化するループ
行動を起こすと何らかの結果が得られ、それを受けて観念がまた強化されたり、逆に修正されたりもします。ポジティブなサイクルに入れば、より良い結果を生み出す観念をさらに信じやすくなるでしょうし、ネガティブなサイクルだと観念がますますネガティブな現実を創り出すこともあります。
バシャールの視点での活用
このプロセスを意識しながら、自分が持っている観念や認知バイアスを見つめ直し、それをポジティブな方向へアップデートしていく――これがバシャールの教えの中心的な実践と言えます。
1. 観念の棚卸し
「自分は本当は何を信じているのか?」と問い、普段の感情や思考の癖を手がかりに観念を客観視する。
2. よりワクワクする観念を選択する
「自分がより情熱を感じ、喜びを覚える選択肢はどれか?」と自分に問いかける。ポジティブな観念を選ぶことで、感情・思考・行動の流れを好転させる。
3. 今この瞬間にフォーカスする
バシャールは「今ここ」に最もパワーがあると説きます。過去に培った認知バイアスや未来への不安からいったん離れ、「今、何を選ぶか」に意識を向ける。
まとめ
• The ONE(全てであるもの) は私たちの意識の根源。私たちは分離しているようで、実は一つの根源的存在の一部。
• 観念(認知バイアス) は私たちの認識・解釈を左右するレンズ。どんなレンズを通して世界を見るかが、感情・思考・行動を決定づける。
• 感情 は観念がもたらすエネルギー的な反応。自分の内面状態をモニターできる手がかりでもある。
• 思考 は観念や感情が形をとったもの。状況を分析・解釈し、行動の方向性を示す指標になる。
• 行動・発言 は最終的にこのプロセスが外界に投影された姿。「What you put out is what you get back」の法則により、自分が発したものが自分に返ってくる。
この一連の流れを理解し、意識的に使っていくことで、私たちは自分の人生により主体的な責任を持ち、創造的でワクワクに満ちた現実へとシフトしていくことができます。観念を変えることは決して簡単ではありませんが、まずは自分の内面をよく観察し、少しずつでも「よりポジティブな認識」を採用する練習をしてみると良いでしょう。そうすることで、行動や発言に込められるエネルギーも変わっていき、結果として世界の見え方が変化していくはずです。