第４２回：「Let go（手放す）」と「意図を持つ」矛盾的な調和
焦点を外す（Let go）と同時に意図を持ち続ける矛盾的態度 とは、一見対立する2つの行動を同時に行うような精神的な在り方を指します。この状態を分かりやすく説明するために、以下のポイントに分けて説明します。
1. 焦点を外す（Let go）の意味
• 執着や制御を手放すこと
「どうしてもこうでなければならない」という固執を緩め、結果を強く求める心を解放します。これは、過度なコントロールや恐怖に縛られた状態から自由になることを意味します。
• 流れに身を任せること
水の流れに逆らわず、自然に運ばれるような感覚。無理に何かを押し進めようとするのではなく、状況が導く方向に委ねる態度です。
2. 意図を持ち続けるの意味
• 目的やビジョンを明確にする
自分が「何を実現したいのか」という意識や意図を心の中で明確に保ち続けます。これは、自分の軸やゴールを失わない状態です。
• 信頼と期待を持つ
宇宙の流れや人生の展開を信じ、「必ず自分に最善の結果が訪れる」という信頼感を維持します。
3. 矛盾的態度がどう成立するのか？
この2つの行動は、一見矛盾しているように見えますが、実際には次のような方法で調和します。
具体例：成功を目指す場合
1. 焦点を外す（Let go）
• 成果を過度に心配しない。「絶対に成功しなければ」というプレッシャーを手放し、結果に執着しない。
• 「何が起こっても、自分には意味がある」と信じて、結果を受け入れる準備をする。
2. 意図を持ち続ける
• 成功のイメージを心の中に鮮明に描き続ける。
• 「自分がこの道を歩むことが正しい」と信じて、行動を止めない。
調和点
• 行動に集中するが、結果を気にしすぎない。
→「今ここ」にフォーカスし、目標に向かうプロセスそのものを楽しむ。
• 自分の意図に忠実でありながら、流れに逆らわない。
→ 状況が変化しても柔軟に対応する。
4. 日常生活での実践方法
以下のステップで、この矛盾的態度を日常に取り入れることができます。
ステップ1: 意図を明確にする
• 自分が望む結果を具体的にイメージします。
• 例: 「私は心から楽しい仕事をして充実感を得る」という意図を持つ。
ステップ2: 執着を手放す
• 目標の達成に至る方法やタイミングを細かくコントロールしようとしない。
• 「最善のタイミングで、最善の方法が自然に訪れる」と信じる。
ステップ3: 行動を続ける
• 必要な行動を日々実践します。ただし、その行動が「結果」よりも「プロセスそのもの」を楽しむように心がける。
ステップ4: 自分を信じる
• 結果がどうであれ、「今、この瞬間に必要なことをしている」という確信を持つ。
5. 例え話で理解する
風に乗るカイト（凧）の例え
• 凧を飛ばす時、手を強く引きすぎると凧は安定せず、うまく飛びません。一方で、手を完全に放してしまうと凧は墜落します。
• うまく凧を飛ばすためには、紐を緩めたり引っ張ったりしながら、風に任せて調整する必要があります。
• この「緩める」と「引く」のバランスこそが、「Let go」と「意図を持つ」の矛盾的態度の実践と言えます。
6. この態度がもたらす結果
• 余計なストレスを軽減
焦点を外すことで、不必要な心配やプレッシャーから解放されます。
• 柔軟性が向上
意図を持つことで、軸がぶれず、変化にも柔軟に対応できます。
• 最適な結果を引き寄せる
執着を手放すことで、結果が自然に調和的な形で現れることが多くなります。
結論として、「Let go」と「意図を持つ」は矛盾ではなく補完的な関係です。この2つの態度を調和させることで、目標に向かう道のりがより軽やかで、創造的なものになります。