まろん

読書がすきな僻地の高校2年生です。

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最近の記事

【エッセイ】恵まれた側の視点から日本の中にある遺伝的な格差と貧困について考える

深夜に手持ち無沙汰になってしまって思考を形にして残しておきたいと思ってなんとなく文章に起こしてみる。  この文章を読んでくださっている人の中に一時期話題になった本「ケーキの切れない非行少年」を読んだことがある人はどれくらいいらっしゃるのかはわからないが、あの本は日本人が目を通しておくべき本の一冊だと思う。全然読みやすい本ではないし読んでいて頭が痛くなるような内容も多々あるが人間というのはある程度閉塞的な自分の周りの社会の中で生きることしかできないし、社会全体がその世界をコピー

    • 【感想】N/A 年森瑛

       芥川の候補作を眺めていたらテーマとしてLGBTQ、摂食障害をテーマにした作品というところに興味を惹かれてN/Aを読んだ。おおまかな内容は社会で言われている普遍的な女性から外れてしまった現代のJKの小説といったものである。  この本において常に主人公はマイノリティであり、マイノリティであることに強い劣等感を感じるわけでもない一方で自分をマイノリティとして定義すること、さらに誰かに定義されることを激しく拒む。これは現代をマイノリティであることを盾にして、あるいは武器のように振り

      • 【感想】きことわ(芥川賞)

         最近とりあえず学校の図書室においてある芥川賞を受賞した本を読んでいる。今回はきことわを読んだ。芥川あるあるの独特な雰囲気のある本だった。 簡単にあらすじについて言及しておくと、貴子(きこ)と永遠子(とわこ)という少女の時に7歳差の二人が貴子の母の春子の死をきっかけに疎遠になったのちに40歳ほどになって再開する(だけ)といったものだ。別にどんでん返しがあるわけでもなければホラー的要素があるわけでもなく、難解で独特な表現で構成されているわけでもないしかといって平易で読んでいて飽