わたしの体と心と車
ピルもなれてきた頃、
「〇日の夜は、あいてますか?」
と、彼から連絡がきた。
「あいてます~♪」
と、まるで歌うような返事をした。
そして、
その日はあっという間に訪れた。
カジュアルなイタリアンレストランで
わたしはワインを飲みながら、
彼はソフトドリンクを飲みながら、
生のたまねぎが彼は苦手なことや、
たわいもない話をして、
わたしはひとりで酔っ払った。
会計をし、
店を出て彼が車で送ってくれると申し出てくれた。
駐車場までの道を歩きながら、
彼が、
「ちょっと行ってみたいところがあるんですけど、
寄り道していいですか?」
と言うので、
どこか夜景でも見える公園か何かに連れて行ってくださるのかしらー
なんてフワフワした頭で考えていた。
車が着いた先は、
職場から、わたしの家からも
近い場所にある、
ホテルだった。
「さ、いきましょう。」
と、
涼しい顔で車から降りてフロントに向かう彼と、
戸惑いながら早足で着いていくわたしが
そこに居た。