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Call If You Need Meを再び

 昨夜はこのZineをもう一度ゆっくり味わいたくなって、ベッドでぬくぬくしながらランプの灯りに美しい表紙をうっとり眺め、綺麗なページを開いて、ていねいに読み始めたら、なんと疲れからか寝落ちしてしまった。それで今日、車の中で2回目を読了。


発行人
井上花月(Laura Day Romance)
惠愛由(BROTHER SUN SISTER MOON)


 彼女らが信じるフェミニズムって、”男性も女性もない。だれもが平等に、たがいを認め合い、受け入れ合い、支え合うこと” なんだよって、そう言っているような気がした。

 特にコロナ蔓延期にSNSで、トゲトゲしいことばでフェミニズム論争をするさまざまな人々にうんざりしてしまった人は、このZineを読んでみてほしいな。あの時期は、日本中に鬱屈したエネルギーが放出され過ぎた感がぬぐえない。

 Zineのエピソードで出てくる、痴漢行為のことは、ほんとにどうなってるんだろう日本は?と胸が痛い。電車の中の二人がけの席で、真横の背広姿の一見真面目に見える男性が下半身を露出して自慰をしながらこちらを見ているなんて….どんなに怖くて不快だったろう。また電車内の痴漢を警察に相談しても肩透かしされ、あるいは下りのエスカレーターで自分の真後ろにピッタリくっつき、なにやら気持ち悪いことを呟きながらズボンを下ろそうとしていた人から逃げた話とか・・。日本の司法、刑法、政治を担う皆さん、そして日本に住むすべてのみなさん、これは犯罪ですよね。なんでレイプや痴漢行為がこんなに軽視されるのだろう、この国では?もっと変われ日本。性犯罪は重罪。


 そして男性への社会のプレッシャー。男は泣いてはいけない、男は強くなければいけないって、なんだろう?なんで自由に自分の気持ちを表現してはいけないのかな? なんでそんなふうに、教師や、コーチや、親や、大人は教えるのかな。悲しくて悔しくて泣いてしまったり、ある時には、ひるんだり、うつむいたり、腰抜かしたり・・・そんなことは誰にでもあります。男性に生まれたら許されないことは、弱さを表すこと?

 いや、日本の問題だけではない。
昔、ブッシュ大統領が来日した時に体調が悪くて、晩餐会の席上でもどしてガタガタと崩れ落ちたニュース映像が流れた時、めちゃくちゃかわいそうだと同情したんだけど、アメリカの新聞は、彼を恥ずべき大統領だとたたいた…。あれもどう? 大統領だって人間。ロボットじゃない。

 
 Call If You Need Meが刊行されてすぐ、大人目線で、おめでとうよくやったとか日記に書いたのが、今日はなんだか恥ずかしいような気持ちになった。20代の私は社会のいろんな課題を考えて、言語化するなんてできなかった。

 Call If You Need Meはこの時代に大切な何かを放つ不思議な空間だな。声にできずもがいていた人たちをそっとハグするような。ガチガチに武装しなければ生きづらい世界が、ありのまま安心して生きていける、そんな世界に変わっていきますように。