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12年間食わず嫌いをしていた、すき家のあのメニューをとうとう食べた話
みなさんは牛丼屋のすき家ってよく行きますか?僕は東京に引っ越してからもう12年が経つんですが、最低でも月に1度はすき家に行っているスキヤーでございます。牛丼チェーンは吉野家や松屋などいろいろありますが、個人的には牛丼ならすき家が一番好きです!
すき家には牛丼以外にもいろいろなメニューがありますよね!!炭火焼き鳥丼、鶏そぼろ丼、鰻丼、店舗によってあったり無かったりする牛カルビ丼、鮭定食やまぜのっけ朝食。あと今はもう無いけれど個人的には豚かば焼き丼も好きでした!さて、そんな東の都ですき家に食育されてきた僕ですが、実は12年間ずっと注文できなかったメニューがあります。
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それがこの「まぐろたたき丼」です。
なぜ12年間注文できなかったのか。マグロが別にそんなに好きじゃないとか、牛丼屋に来たからには魚より肉の方が食べたいよな~とか、そんなぼんやりとした理由ではなく、ことすき家のまぐろたたき丼に関しては、こんなこと言うのは本当に申し訳ないけれど明確な意思があって避けてきました。
その理由をハッキリ言わせて頂くと、この見た目。いやなんだ、このごはんの上にまぐろのたたきが乗ってるから成立してるでしょ?とでも言いたそうな態度は。ネギの緑色が映えて良いですね~じゃないんだよ。その下にあるスマブラの摩天楼のステージに出現するやたらツルツル滑るUFOみたいなその物体はなんだって聞いてるんだよ。マグロって出てきたら無条件で嬉しい食材のはずなのにここまで見た目で美味しそう~♡ってならないことってある?あと、こういうのって大体メニューの写真は良い感じなのに、実物はパウチ的なものからニュルっと出したものをただ上に乗せました感満載のものが出てきてちょっとガッカリみたいなパターンがよくあるケースのハズなのに、メニューの時点でそれを隠そうとしないのは胆力があり過ぎるだろ。
まるで人類よりも知能に優れた異星人が「まぐろたたき丼」という情報だけを元に作ったかのような見た目のこのメニューは、ネット上ではフリスビー丼などと呼ばれていることもあるのだが、正直この見た目ではそう揶揄されても仕方がないだろうと言うしかない。例えそれがルッキズムだと批判されても、その放たれた矢を受け止める覚悟は出来ている。
こんなことを言っているけれど。僕はそこまで食べ物の見た目は重視しない方だ。一時期自炊をしていたこともあるけれど、盛り付けには特に拘りはなく割と「成立していればそれでいい」主義ではある。それにも関わらず、このフリスビー丼の見た目は、自分の中に存在するほんの僅かな食のギリギリの一線を越えてきた数少ない存在なのだ。
ケーキをフォークじゃなく箸で食べるのはなんかイヤだったり
カレーを食べる時はカレー皿じゃないとなんかイヤだったり
味噌汁のお椀にコーンスープを入れるのはなんかイヤだったり
あの、うっすらとした「なんかイヤ」の上で堂々と素知らぬ顔で鎮座しているその図々しさに僕は近寄り難さを感じてしまい、12年間「注文」というアクションの実行に至ることはなかった。
さて、じゃあなんでその12年間にも渡る冷戦状態が今になって雪解けに至ったのか。論より証拠。こちらのツイートを見て頂きたい。
『偏愛するものを語ってくれ』
— マナリス@すき家er (@manarisu9475) May 4, 2024
というご依頼がありました。
すき家の「まぐろたたき丼」です。
すき家で一番美味いです。
すき家は『まぐろたたき丼屋さん』です。
1600日以上すき家に通ってる人が一番好きなのは「まぐろたたき丼」#偏愛横丁 #偏愛を語る #PR pic.twitter.com/oJGDbIzTwG
「すき家で一番美味いのはまぐろたたき丼」
「すき家は『まぐろたたき丼屋さん』」
こちらのマナリスさんは、なんと1600日以上すき家に通い続けているというすき家愛がものすごい方だ。すき家の一次情報に関してはこのマナリスさんが発信するものが世界で一番信用できるといって過言ではないだろう。
そこまで言うならば、食うしかない。
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出てきたところで「まぁやっぱりね」と言わざるを得ないこのフリスビー的容貌。いざ対面して思ったのは、もしメニューの写真がめちゃくちゃ良い感じなのに、実際にこれが出てきたら、ガッカリ感の余韻でマイナスの心理状態から食べ始めていたかもしれないなということ。例えなんとからかわれたっていい。ただ、お客様が箸を手に取った時にはフェアな状態で食べ始めてもらいたい。そんなすき家側の誠実さを一応感じ取ることができた。
さて気になるお味の方だが……
結論から申し上げると
めちゃくちゃ美味かったです!!!!
いや、めちゃくちゃ美味いじゃん!!??
これを俺12年間も食べてこなかったの????
絶対この12年の間で「まぐろたたき丼」がベストだった日なんていくらでもあったって!!
まず食べてみて一番驚いたのが「フリスビー」がやわらかかったこと。てっきり冷凍庫から出したものをそのまま米の上に乗っけただけで、シャリシャリ感が残りまくってるものだと思っていたら、凍ってる感は微塵も無くて、箸ですっと切れるやわらかいまぐろのたたきだった。
あと個人的にめちゃくちゃ嬉しかったのが、ごはんが酢飯だったこと。他のお店で鉄火丼を頼んだら、ごはんが酢飯じゃなかったことがあって結構ガッカリしてしまったことがある。生魚との組み合わせにおいて、ただの白飯か酢飯かどうかというのは、幽白の飛影が登場初期のキャラか味方になった時のキャラかぐらい非常に大きな違いだ。しかし、海鮮丼を専門とするお店ならいいとしても、数多くあるメニューのたったひとつのために酢飯を用意するのは中々ハードルが高いだろう。だから正直、すき家のまぐろたたき丼も普通の白飯なんだろうな、と食べる前は思っていた。なんという企業努力!
刻み海苔やネギがあるのも嬉しい。
こういう脇役の存在感というのは意外と大きい。
お値段は600円(ごはんだけ大盛りにすると630円)
この値段でお手軽に海鮮丼欲を満たせるのはとてもありがたい。
まぐろたたき丼は2004年に登場してからずっと存在しているレギュラーメニューなんだそうだ(ほんの一時期終売してたこともあったけど)
食べてみると確かに、細かな配慮が行き届いた完成されたメニューだった。すき家を支える裏番長的存在。アメトークにおけるケンコバといったところか。
自分一人の判断だけでは恐らく20年後も30年後も「なんかイヤ」が邪魔をしてこのまぐろたたき丼を頼むことは無かっただろう。辿り着けたのは「すき家のまぐろたたき丼が美味い」という確かな評判のおかげだ。
フリスビーは一人ではできない。投げる者と受け取る者がいて、初めて成り立つもの。僕もある程度年を取ってしまったので、これからは受け取るだけではなくフリスビーを投げる者にもなりたい、とそんな人生の学びの機会まで得てしまった。
すき家のまぐろたたき丼
確かにめちゃくちゃオススメです!!
ちなみにこの後3日連続で食べました。