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そんな
すぐそばにいるあなたと話して
あなたの大事な人と話して
あなたの大事な子を前にして
包まれて
包まれて。
いつもは離れたあなたと話して
あなたの大事な人を話して
あなたの大事に思いを馳せて
包まれて
包まれたのに、
私は宇宙に唯だひとり、
孤独にそこにいるような、
そんな、
そんな心地。
そんな夜の、
みんなが眠る家への帰り道。
ふと周りを見渡したとき
世界が一瞬ぐんにゃりと
その形を揺らがせて
私は自分が何処に居るのか見失う。
足は確かに重力を受け
地面とくっついて、そして
前へ前へ前へと蹴って離れて
そんな運動を繰り返しているけれど
ふわふわと浮いているような____
子供の頃読んだ絵本に出てきた
悪い子だけが連れていかれる
ネズミたちの暮らす暗い世界に来たような
そんな、そんな感じ。
心と身体の分離が進む。
人間という生物が
正しくあれるか
正しくなれるか
確かめるための実験で
死んだら失敗の例にされる
被験体として生きているような、
そんな、
そんな心地。
そんな感覚を独り占めして
本当の独りになりたいけど
もうわかってる。
「唯だひとり」ではないということ
結局何にもなれないの、
私は所詮ただの一人。
そんなことを知っている。
そんな、そんなことを。