ここでもエジソンは嫌なやつだった『テスラ エジソンが恐れた天才』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:50/58
ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
伝記映画
電流戦争
発明家
トーマス・エジソン
二コラ・テスラ
【あらすじ】
1884年、移民としてニューヨークへやってきて、憧れのエジソン(カイル・マクラクラン)のもとで働き始めたテスラ(イーサン・ホーク)。しかし、直流か交流かで対立し、訣別してしまう。
独立したテスラは、実業家ウェスティングハウス(ジム・ガフィガン)と手を組み、シカゴ万国博覧会でエジソンに勝利する。
時代の寵児となったテスラは、大財閥J・P・モルガン(ドニー・ケシュウォーズ)の娘アン(イヴ・ヒューソン)と交流し、モルガンから莫大な資金を得て、「無線」の実現に挑戦する。
だが、研究一筋の繊細な心が、実業界や社交界と不協和音を立て始める──。
【感想】
エジソンほど有名ではないですが、現代の電力技術を語る上でなくてはならないのが、この二コラ・テスラ。あの自動車会社の社名の由来にもなっていますよね。彼のおかげで、我々は電気を使うことができていると言っても過言ではないかもしれません。
本作は、そんなテスラの半生を綴った伝記映画ではあるんですが、、、んー、個人的には正直面白いとは言えないものでした。これ、監督が脚本を書き上げたの1980年代初頭らしいんだけど、、、そのままだったのかな、、、もしそうなら、書き直した方がよかったのでは(笑)
単純にわかりづらいんですよ、内容が。これは、テスラについてある程度知っておかないと、この映画だけですべて理解するのは難しいでしょうね。
結局、何が成功で何が失敗だったのか、その区切りが明確でないまま、どんどん次の話に進むから、観ている方としては置いてけぼりを食らう感じなんですよ。
こがね、何かひとつのことを突き詰めていく中で、挫折や対立があり、最後に大成功したっていう話なら、もっと理解しやすいですよ。ところが、この映画では、エジソンとの確執からウェスティングハウスとの提携、J・P・モルガンからの出資に至るまで、いろんなエピソードが淡々と進んでいく上に、理科の講義のような話もあるので、わかりづらい上に退屈な部分もあるんですよね。理科に耐性のない人はちょっとアレルギーがあるかもしれません(まあ、史実なので仕方ないんですけどw)。
その中で、唯一特徴的なところがこの映画にはあるんですよ。それは、時折アンがファシリテーターみたいな役割を果たしているところです。彼女が第四の壁を破るかのごとく、観客に向かって、登場人物の生い立ちや当時の社会情勢を補足してくれるんです。こうなると、この映画、ただの伝記映画というより、ドキュメンタリーっぽくも見えるんですよね。ただ、登場人物に対する理解は深まっても、ストーリー自体がわかりやすくなるわけではないので、あんまり意味ないかもしれませんが。。。(笑)
あと、この映画は昨年やった『エジソンズ・ゲーム』とほぼ話が同じっていう。あっちはエジソンに焦点を当てて、こっちはテスラに焦点を当てているだけの違い。しかも、そっちの映画も単にエジソンの悪あがきが過ぎるっていうだけで、あんまり面白くなかった思い出が。。。(笑)
でも、いずれの映画でもエジソンがけっこう嫌なやつで描かれているのはちょっと笑ってしまいまいますね。小学校の頃の伝記漫画とか読むと、エジソンってとにかくいろいろ発明したすごい人っていうことだけしか書かれてないですが、人柄としてはかなりのアスペ&サイコな気がしてます、僕は(笑)
テスラなー、扱う人物としては非常に興味深いだけに、ちょっと残念な映画でした。
ちなみに、作品の内容とは全然関係ないですけど、僕だったら、テスラが現代を生きていたらっていうファンタジー設定の話の方が個人的には楽しめそうな気がします(笑)タイムスリップして過去に戻って偉人と会うっていう話はあるけど、過去の偉人が現代にいたらっていうのは、直近では『帰ってきたヒトラー』および『帰ってきたムッソリーニ』ぐらいしかないので。