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興奮と涙が世界を覆う『ワンダーウーマン 1984』

【基本情報】

 原題:Wonder Woman 1984
製作年:2020年
製作国:アメリカ
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:1/196👑
 ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★★★★★★★★

【あらすじ】

スミソニアン博物館で働く考古学者のダイアナ(ガル・ガドット)には、もうひとつ、ワンダーウーマンとしての顔があった。

ある日、ショッピングモールの宝石店に強盗が押し入る。犯人はダイアナによって捕らえられたが、その宝石店は裏取引によって得た骨董品の数々が隠されていた。

その中のひとつに、何でも願いが叶うという天然石"シトリン"があった。

かつての戦いで恋人を失ったダイアナ。そんなダイアナに憧れる同僚のバーバラ(クリスティン・ウィグ)。そして、以前よりその石を探し求めていた石油ディーラー・マックス(ペドロ・パスカル)。

それぞれが願いを叶えてしまい、世界は混沌へと陥る。

【感想】

DCエクステンデッド・ユニバース第9作品目。待ってましたよ、本当に。。。コロナの影響で今年はハリウッドの超大作が軒並み公開延期となり、なんと2020年のスーパーヒーロー映画は本作のみという。。。禁断症状出てしまうぐらいには、スーパーヒーローを渇望していました。

もうね、今年一番面白かったです。まあ、ここまで書くと、「そりゃあんたがスーパーヒーロー映画が好きだからだろ」って思われそうですが、はい、その通りです。もはや面白い・面白くないなんて主観でしかないので、独断と偏見で突っ走ております(笑)でも、僕がそういう映画が大好きということを差し引いても、この映画は面白かったと思います。

僕の中で面白い映画の条件として、「複数の感情が刺激される」っていうのがあります。人生で一番面白いと思っている『アベンジャーズ/エンドゲーム』や、その次の『ターミネーター2』なんかは、興奮と感動とちょっとした笑いなんかもあったりして、1本でいくつもの感情が揺れ動かされるので、まるでジェットコースターに乗っているような気分にもなります。

今回の『ワンダーウーマン 1984』もただ興奮するだけならいざ知らず、まさかの感動もあって普通に泣けるんですよ。・゜・(ノД`)・゜・。予想できる展開ではあるんですが、いざ観ると涙がぶわーって止まらなくて。特に前作を観ていると余計に気持ちが高ぶってしまいました。

本作の舞台は、前作の第一次世界大戦から大きく変わって1984年となっています。ワンダーウーマンはアマゾン族なので長命なんですね。70年経っても元気にやっております。80年代だと、街ゆく人の服装やアクティビティなんかがすごく時代を感じるので、最新作の映画ななのにノスタルジーを感じるというギャップがあります(笑)

けっこう冒頭から飛ばす構成だったんですけど、インタビューで監督のパティ・ジェンキンスもおっしゃっているように、この映画は80年代作品へのオマージュがあるんですよね。ショッピングモールのシーンなんかは我らがシュワちゃんの代表作『コマンドー』(1985)を、カーチェイスのシーンでは『インディ・ジョーンズ』シリーズを彷彿とさせるので、それらの作品を観た人なら思わずニヤけてしまうかと(笑)

そして、この映画の一番の見どころはなんといってもアクションシーンのド派手さですね。あまりのパワフルさとスピード感に興奮しすぎて鼻血出るかと思いました。それをさ、今僕が世界で一番綺麗でスタイルがいいと思っているガル・ガドットが演じるんだからたまらんのですよ。何をやっても画になるチート級の美しさ。端正な顔立ちに身長177cmのスタイルのよさゆえに、あのゴールドアーマーが似合っちゃうんですよ。これ日本人じゃ絶対無理だろって。アニメじゃなきゃ成り立たないだろって。

また、今回は敵役もこれまでのヴィランとはちょっと違うんですよ。単に世界征服を目論む悪いやつではなく、「人の願望」に着目することで世の中を混沌に陥れてしまうというもの。この「願望」というのが本作の大事なところなんです。「何でも願いは叶う」が、「必ず代償を支払う」という中で、ワンダーウーマンも敵対する者たちも、どちらを取るべきか葛藤するところがとても印象的でした。そういった人間としての迷いを描いている分、ただ殴り合うだけではなく、ストーリー的にも見ごたえがある内容になっていましたね。

まあ正直、冒頭30分を過ぎてから終盤のクライマックスに行くまでは、ちょっと冗長かなって感じるところもあるんですが、それをカバーできるぐらいの興奮と感動がこの映画にはあります。

それは、やっぱりキャラクターと世界観の作り込みがハンパないぐらいの没入感を伴うからだと思うんです、ハリウッド映画って。おそらく映像技術の高さがそれを可能にしているからかなーって思うんですけど、例えば邦画だと、アニメや漫画の実写化において、役者とキャラクターって同一人物にはならないんですよね、少なくとも僕は。あくまでも演じているだけっていう感覚が強いです。ところが、ハリウッド映画だと役者がキャラクターそのものというか、演じているとかじゃないように感じるんですよ。ガル・ガドット=ワンダーウーマンっていう、まさにミッキーはミッキーで着ぐるみじゃないっていう感じ方と近いですね。

あと、個人的にはラストの終わり方も好きでした!世代的なところもあって、"彼女"のことを僕は知らなかったのですが、一目見てピンときました。「この方、もしや、、、」って。映画が終わって調べたらビンゴ。こういうリスペクトがあるところもいいですよねー。

かつて、「可憐にて最強」というキャッチコピーが『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』という映画で使われていましたけど、今となってはこれはワンダーウーマンのためにある言葉なのではないかと思います。

今年もあと2週間も経たずに終わってしまいますが、これは映画館でこそ観るべき映画だと思うので、今年最後の超大作としてぜひ観ていただきたいです。


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