配役ミス感が否めない『ポップスター』
【基本情報】
原題:Vox Lux
製作年:2018年
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:51/60
⠀ 狂気🤯:★★★☆☆
⠀ ⠀ 歌🎤:★★★☆☆
ダンス💃:★★★☆☆
【どんな映画?】
ちょっと一言じゃ伝わりづらいのですが、整理のためにまとめると、以下のような感じです。
14歳のときに銃乱射事件に巻き込まれたセレステ(ラフィー・キャシディ)は、姉のエリー(ステイシー・マーティン)と共に被害者の追悼ソングを作って披露したところ大きな反響を呼び、あれよあれよと言う間に一気にスターダムへ。
時は経ち、31歳になったセレステ(ナタリー・ポートマン)は、落ちぶれていたものの、復活を遂げるために大きなツアーを企画。
しかし、不運なことにまたもや銃乱射事件が起こり、さらに犯人グループがかつてセレステがMVで着用していたマスクをしていたため世間は大騒ぎ。それでもなんとかツアーを実施し、圧倒的な歌とダンスで観客を魅了していく。
【感想】
正直、「で?」って感じでした。。。
いや、あまりにもレビューサイトの評価が低いので「まさかナタリー・ポートマンの映画でそんなわけ、、、」と思ったものの、観たら納得です(笑)
おそらく、全体的にゴールが明確じゃないまま終わってしまうのがその理由なんじゃないかなと。
追悼ソングから人気がついて一気にスターへと登りつめるところまではよかったのですが、その後、セレステの役がナタリー・ポートマンに変わった途端、よくわからなくなってしまうんです。
そもそもの話なのですが、配役がすんごいわかりづらいんです。というのも、10代のセレステを演じていたのはラフィー・キャシディ。で、31歳になったセレステはナタリー・ポートマンに変わるのですが、彼女にはアルビーという娘がいて、その娘役もラフィー・キャシディ。まあ、主人公の娘を、主人公の若かりし頃を演じた人がやるっていうのはたまに見かけるのですが、姉のエリーは若い頃も歳を取ってもずっとステイシー・マーティンが演じていたので、一瞬混乱するんですよね。。。
この時点で、もうストーリーが頭に入ってきません。
で、落ちぶれたっていう設定なんですが、その描写がほとんどないんですよ。確かにお酒やドラッグ、娘や姉との関係悪化など、ネガティブなシーンはあるんですが、落ちぶれてるっていうんだから、仕事がないとか、まわりから嫌われているとか、そういう干されているようなシーンがあればまだわかりやすいのに、そういうのが全然ないから、落ちぶれている様子を実感できませんでした。
そうなると、もはやセレステってどういう方向に進んでいくのかがわかりづらくなって、観ている方としてはポカーンって感じ(笑)スターの座にしがみつきたいのか、それとももう辞めてもいいやなのか。まあ、最後に大きなツアーを企画しているぐらいなので、まだまだ歌手としてやっていきたいんだろうけど、いまいちそれが伝わってこず。。。
ナタリー・ポートマン自体の演技はよかったし、歌とダンスはかっこよかったけど、最後も急に終わってしまい、無音のエンドクレジットを眺めながら、「はて、これは何の映画だ?」と自問自答するハメに(笑)
題材はよかったから、絶対もっとよくなる映画だと思うのだけど。。。
製作総指揮にはナタリー・ポートマンだけでなく、マネージャー役で出演していたジュード・ロウも名を連ねているので、主演がスタッフ側に入ることで誰も文句を言えなかったのではないかと邪推してしまいます(笑)
なお、この映画の振り付けはナタリー・ポートマンの旦那さんが担当したらしいのですが、全身タイツに身を包んで踊るもんだから『キャッツ』なのかな?って思ってしまいました。
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