ある意味キラキラ青春映画だった『チワワちゃん』

2019年公開映画11本中3位。

これはね、普通に面白い。
『クリード』や『Fate』はシリーズが好きだったり、趣味だったりして、
今のところ今年のトップ2にしてるけど、
単一の作品でいったら、これ1位だわ。

パリピ界隈に彗星のごとく現れたチワワちゃんが、
ある日バラバラ遺体で発見されたっていう話で、
門脇麦が、みんなにチワワちゃんのことを聞いてまわりながら、
思い出を回想していくという流れなんだけど、
サスペンスじゃないんだわ、こう見えて。
人が死んで、その謎を解明するっていう方向性ではなく、
まさかのキラキラ青春映画なんだよね。

クラブ行って、酒飲んで、キスして、セックスして、
というパリピにはあるあるな日々の中で、
チワワちゃんを中心とした人間関係が面白かった。

まあ、結局は誰が誰を好きで、
誰と誰が関係持って、っていう、
みんなの身のまわりにもある話ではあるんだけど、
この映画は、お話よりもキャラクターとか表現技法とか、
そういうのが個人的にはすごく好きだった。

例えば成田凌。
彼、すごく好きな役者なんだけど、
チャラ男からへたれ男、頭のおかしい犯人役まで、
かなり幅広い役を演じているなという印象があるものの、
やっぱり今回のようなパリピってるのが、
個人的には一番しっくり来て、
なんだかんだでボス猿じゃないけど、
輪の中心になってしまうような感じがいい。

そして浅野忠信。
もうこの人、本当にえげつないカメラマン役でさ。
散々チワワちゃんを罵倒して、精神的支柱を崩してから、
自分の女にするっていうね、もうね、うらやましい限りなんだけど、
そういう役、似合っちゃうんだよね。

チワワちゃん役の吉田志織もよかった。
さとう珠緒みたいな顔して、
ちょっとメンがヘラってる感じとか出してるの、
すごくよかった。

表現的なところで言えば、
乱交シーンがあるんだけれど、
その合間に挟まれるミキサーでフルーツをかきまぜる映像や、
カップやきそばにマヨネーズをドピュって出す映像など、
性行為を想起させるようなうまい比喩使ってんなーって、
ちょっと感動しちゃった(笑)

最初に思っていた映画とはちょっと違ったけれど、
これはこれでいい青春映画でした。

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