ジブリが織り成すジャンプ漫画のような『羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~』
【基本情報】
原題:罗小黑战记 The Legend of Hei
製作年:2019年
製作国:中国
配給:アニプレックス、チームジョイ
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:19/178
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。
黒ネコの妖精シャオヘイもそのひとり。そこに手を差し伸べたのが、同じ妖精のフーシーだった。
フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら妖精とも互角に戦える最強の執行人ムゲンが現れる。
戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまうが、なんとか逃れたフーシーたちはシャオヘイの奪還を誓うと共に、「ある計画」を始める。
そして、ムゲンはシャオヘイを人間と妖精が共存する"会館"と呼ばれるところに連れて行こうとする。
シャオヘイは新たな居場所を見つけることができるのか。また、人間と妖精の未来はどうなっていくのか。
【感想】
メッチャ面白いじゃないですか、これ。まさかこんなにハマるとは思わなかったのでびっくりですよ。本当にね、こうやって期待していなかった映画がすごく面白かったりするから、映画ってやめられないんですよね(笑)
僕は知りませんでしたが、この映画、実は2019年9月20日から日本でも一部の劇場で上映されていたみたいなんですよね。で、今回、改めて吹替版として全国公開されました、と。なので、僕は2020年公開映画として扱うことにします。
さて、この作品、正直言ってしまうと、絵が好きじゃなかったので最初は観るつもりなかったんですよ。なんかこう、全体的にまるっとしていたんで。僕はもっとシュッとしたキャラクターデザインが好きなんで。でも、妹が薦めてくるもんだから、まあそれなら観てみようかなーって。そうしたら、思いのほかよくできていたんですよ、これが。
妖精のために人間を切ろうとするフーシーと、人間と妖精の共生を願うムゲン。お互いの正義の対立の下、それに巻き込まれるシャオヘイの冒険ストーリーは、オーソドックスでありながらも、結末がどうなるかを期待させる面白さがあるんですよね。
それに加えて、テンポよく進んでいくから観やすいっていうのももちろんのこと、やっぱりバトルシーンがすごくかっこいいからどんどん引き込まれるんですよ。今年観た映画の中で一番スピード感があったと思います。『fate/stay night』を超えますね、あのハイスピードバトルは。
あと、今まで中国のアニメを観たことがないから何とも言えないんですけど、この作品に関してはけっこう日本のアニメの影響を受けているんじゃないかなと思いました。
冒頭の森のシーンなんかは『もののけ姫』を彷彿とさせるし、全体的にジブリっぽいタッチの印象です。で、獣人のキャラクターは『バケモノの子』を思わせるし、バトルで使われる術は『NARUTO』っぽい。Filmarksで「ジブリのドラゴンボール」って書いてある人がいらっしゃいましたが、完全同意ですね。他にもどこかで見たことあるような要素が散見されるので、日本人には親しみやすい作品だと思います。
ただ、Flashで作られているからなのかはわかりませんが、絵自体は日本のアニメの方が細かくてリアルかなって感じました。バトルのスピード感は凄まじいのですが、砕け散るコンクリートや建造物などの重厚感があまり感じられなかったように思います。なんか、軽そうに見えたんですよねwww
でも、普通に面白かったですし、映画単体で観たら『鬼滅の刃』よりもハマる人いるんじゃないですかね。しかも、声優も豪華なんですよね。『鬼滅の刃』に出ている方が多くて。甘露寺さんに、冨岡さんに、悲鳴嶼さんに、鱗滝さんに、伊之助。その人たちの声を聞くのも楽しみのひとつだと思います。
これほどの作品が2019年にひっそりと上映されていたなんてまったく知らなかった(笑)日本じゃめずらしい中国のアニメで、絵のタッチもなんかまるっこいんですけど、中身は面白いのでアニメ好きな人は楽しめますよ!