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中国が本気を出して作った『海猿』感満載の『レスキュー』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:33/101
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
海難事故
救出劇
海猿
【あらすじ】
油田掘削場の大火災。山岳でのタンクローリー大爆発。ジャンボジェット旅客機の海上着陸。巨大タンカー大炎上――。
壮絶な災害現場で救助にあたる海難レスキューのエキスパートたち。過酷な訓練の日々、激務にも揺るがない強い絆、愛する家族との葛藤、そして、大切な仲間の死――。
命の危機に晒される彼らに明日はやって来るのか――!!
【感想】
これが中国の本気。。。無理ゲーなマリオ、命がけのSASUKE、そして金をかけまくった『海猿』。。。その圧倒的な映像に度肝を抜かれます。。。
<基本は『海猿』と思ってもらえれば>
主人公たちはレスキュー隊員。今回の映画では主に海難事故からの救助を扱っているので、まんま『海猿』なんですよ。それも『2』以降の。だから、スリルと感動を味わえるっていう点では間違いない内容です。もうこの時点でどんな話かはある程度予想がつくかと思いますが、あの映画シリーズが好きな人だったら楽しめるはずです。
<圧倒的な映像クオリティ>
ストーリーやキャラクターが『海猿』でも、この映画のすごいところは何と言っても圧巻の映像クオリティにあります。もう冒頭からものすごい迫力なんですよ!CGとセットのハイブリッドなんでしょうけど、爆発によってカオスとなった足場に、荒れ狂う炎。そこにうずくまる動けなくなった人たち。観た瞬間、「あ、これもうダメかも」という絶望が一気に押し寄せてきます!設定とか、ストーリーとか、役者さんの演技とか、そういうの凌駕できるぐらいの映像に、さすが中国、さすが製作費120億円と感じましたね。
<時間制限ある展開が最大のスリリングポイント>
作中では全部で4つの事故が起こります。冒頭の油田採掘場の爆発事故。タンクローリーの激流への落下事故。飛行機の海への墜落事故。そして、巨大タンカー爆発事故。どれもド迫力の映像に息をのむ展開なんですが、共通しているのが、いずれも時間との勝負ってところなんです。
これは、要救助者を早く安全なところに運ばなければならないっていうのもそうなんですけど、モタモタしてるとより大きな爆発につながったり、飛行機が沈んだりっていう、さらに被害が拡大する恐れがあるからなんです。だから、これ以上最悪の状況になる前に、全員を救出し、その場から離れなければならないというタイムリミットある展開が、ものすんごい手に汗握るんです!特に、ラストのタンカー爆発事故なんて、火災の影響が大きすぎて、周辺温度が最大で500℃にも及びます。いつまた新たな爆発が起きるかもわからない中、消火活動と並行しながら、地下に閉じ込められている人たちを助けに行くっていうシチュエーションは、観ているだけで背筋が凍る想いでした。。。
<救助活動以外にもある人間ドラマの数々>
この映画では、救助活動だけでなく、隊員同士の恋愛や仲間の死、主人公の子供に降りかかる病気など、けっこういろんなエピソードが入れ込んであります。その分、情報量は多いかなって思うんですけど、そういうのも含めて、『海猿』なんですよね。僕は面白いと思いましたが、既視感が強かったので、感動的なシーンでも泣きはできませんでしたけど(笑)
ちなみに、10分に1回のクライマックスっていう触れ込みですが、実際は30分に1回ぐらいでした(笑)