父親に隠された秘密を追う思春期の男女に冒険感がある『クローブヒッチ・キラー』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:107/122
ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サイコスリラー
サイコパス
縛りプレイ
【あらすじ】
16才の少年タイラー(チャーリー・プラマー)は、信仰を重んじる小さな町の、貧しくも幸せな家庭で暮らしている。
ある日、ボーイスカウトの団長も務め、町でも信頼の厚い父親ドン(ディラン・マクダーモット)の小屋に忍び込んだタイラーは、猟奇的なポルノや不穏なポラロイド写真を見つけてしまう。
調べを進めてゆくにつれ、10年前に起きた未解決事件「巻き結び(クローブヒッチ)連続殺人事件」の犯人が父親ドンなのではと、日ごと疑惑は増すばかり。
同じく事件を追う少女カッシ(マディセン・ベイティ)に協力を求め、真相を究明しようとするが…。
【感想】
たった一人の父親に疑いの念を向けるというスリリングな映画でした。ちょっとヒンヤリしたときには観てもいいかもしれません。
<"父親の秘密の場所"という秘境感>
実家って「父親の部屋」ってないですか?僕の父親もそうだったんですが、昔住んでた家には「父親の部屋」なる、"未知の領域"があったんですよ。まあ、単なる物置なんですが、父親の趣味の漫画や若い頃に使っていたであろうスキーの板なんかが置かれていたりして、小さい頃はちょっとドキドキしたんですよね。
この映画でも、家族が暮らす家からちょっと離れたところに父親の小屋があるんです。ほとんどただの倉庫と化してはいるんですが、ダイアル式のカギもかけられており、なんだか厳重な雰囲気。本来であれば子供の好奇心を満たせるだけの楽しいコンテンツがありそうな場所なのに、今回は驚愕の事実が隠されています。もしかしたら、彼は殺人犯かもしれない。思春期の高校生にとっては、かなりショッキングな出来事でしょう。
<サイコスリラーの中にある青春>
事件の真相を解明すべく、町内で「異教徒」だと罵られて浮いている女の子と2人で調査を進めていく展開は、怖い雰囲気の中にちょっとした冒険というか青春っぽい要素を感じられて、なんだか楽しそうだなって思えるんですよ。もちろん、そんなお気楽な世界観ではまったくないんですが、見方によっては青春映画と捉えられなくもないかなーって。
<テンポの悪さが台無しにしている>
ただ、全体的にゆっくり進んで行くんですよ。この前観た『RUN/ラン』と比べると、衝撃的な展開みたいなことも少ないですし、スリリングな割には緊迫感はあまりなかったです。それがこの映画の惜しいところなんですよ。題材としてはすごくよかった分、ちょっと退屈な感じはありました。
<その他>
あと、気になる点もいくつかあるんですよ。ヒロインのカッシは一般人なのに、なんでそんなに警察の調査資料を見れるのかっていう。元警察関係者といっしょに住んでいる?とはいえ、一般人にそこまでの閲覧権限はない気がするんですよねー。
他にも、せっかくいるのならタイラーの叔父をもっと使ったりとか、タイラーとカッシの仲をもっと深めたりとか、いろいろ思うところもあって、全体的に物足りなさはあったかも。
まあでも、サイコスリラーとは言いつつ、怖い要素はほとんどないので、その点では安心して観れますね。