"動けるデブ"の真骨頂、『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/2👑
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆
【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
アクション
コメディ
カンフー
往年のチャッキー・チェン映画
【あらすじ】
熱血刑事フクロン(ドニー・イェン)は、ある事件をきっかけに現場から証拠管理の部署へ異動。さらに、事件を追うあまり大切な約束をすっぽかし、婚約者に見放されてしまう。
外回りがなくなったことと暴飲暴食がたたり、半年後、フクロンは体重が66kgから120kgに増え、ポッチャリ刑事"デブゴン"になっていた!しかし、その外見とは裏腹に並外れた身体能力と正義に燃える心は消えていなかった。
容疑者を護送するため日本に降り立ち、日本の遠藤警部(竹中直人)と協力し、新宿歌舞伎町、築地市場、そして東京タワーを舞台に巨大な陰謀に立ち向かう!!
【感想】
とにかくハチャメチャな内容で、頭を使わずに超ド派手バトルを楽しめる、お正月にピッタリの映画です!
香港映画ではあるんですが、監督は実写版『るろうに剣心』でアクション監督を務めた谷垣健治。東京が舞台ということもあり、随所に日本人ならニヤリとしてしまうところがあるのも楽しめるポイントです(天下一品の看板とかw)。
本作はサモ・ハン・キンポー主演の『燃えよデブゴン』(1978)のリメイんですが、話はまったく別物です。オリジナル版は、ブルース・リーに憧れる田舎のポッチャリ青年が町に出て、チンピラたちとの喧嘩をきっかけに悪者と戦う話になっていて、今作は、デスクワークへ異動になった刑事が暴飲暴食と運動不足でデブ散らかし、容疑者を香港から東京へ護送した際、ヤクザとの戦いに巻き込まれていくという話。元からデブか、途中からデブか、というのが大きな違いですね(笑)(なお、オリジナル版を観たい方は渋谷のTSUTAYAでVHSがレンタルできますよ!それ以外のメディアでは観られないので。。。)
本作の見どころは、何と言っても凄まじいバトルアクションでしょう。『イップ・マン』シリーズで人間離れしたカンフーを披露したドニー・イェンですが、今回は特殊メイクによって体重120kgの巨漢に変身しています。体重1.8倍近いですよね。なのに、その重さをまったく感じさせない素早い身のこなしに、ただただ圧倒されるばかりでした。
華麗に敵の攻撃を避け、「重力ってあるんだっけ?」と思わせる軽やかな動きから繰り出されるパンチとキックの数々、そして、身のまわりにある障害物を利用したアクションは、まさに一昔前のジャッキー・チェンを彷彿とさせます。
それをね、歌舞伎町や築地市場、東京タワー(どれもロケじゃなくてセットってのがまたすごいんですが)を縦横無尽に駆け巡り、まわりのものをぶっ壊しながら暴れまくるので、もう爽快感の嵐ですよ!!まあ、ぶっ壊しまくるが故に、「フクロンは面倒事ばかり増やす」とまわりから煙たがられていたりするんですけど(笑)でも、こんなアクションを見せつけられたら、今年はしばらく対人戦でこれを超える作品には出会えないかもしれません。本当にどうやったらあんな目にも止まらぬような素早いアクションができるんだろうって不思議で仕方ありません。
ただ、アクションに寄っている分、ストーリー性は薄いんですよね(笑)コメディタッチではあるので笑えるっちゃ笑えるんですけど、エピソードを詰め込みすぎて冗長になっちゃってるんですよ。それが、映画全体のテンポを落としている気がして、すごくもったいなーって思いました。せっかくド派手なアクションで興奮できたのに、ドラマパートで冷めちゃうみたいな。そこをスッキリさせて、アクションシーンをもう少し分散させた方が、もっと観やすくなったのかなって感じます。
とはいえ、全体的には満足ですし、あのアクションだけでも観る価値アリです!どうせなら、サモ・ハン・キンポーをカメオ出演させてほしかったですけどね(笑)
そういえば、竹中直人も出てるんですが、声がいつもと違った気がするんですよね。ちょっと高い。演技でそうしているのか、アフレコしているのかはわかりませんでしたけど。でも、リップシンクがズレているところもあったので、アフレコの可能性高いですね。