バレていないと思っていることは大体バレている『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:131/190
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
不倫
漫画家
【あらすじ】
漫画家・佐和子(黒木華)の新作漫画のテーマは…「不倫」。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれている。佐和子の担当編集者・千佳(奈緒)と不倫をしていた夫である俊夫(柄本佑)は、「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。
さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生(金子大地)との淡い恋へ急展開。この漫画は、完全な創作?ただの妄想?それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!?
恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく…。
【感想】
不倫がテーマのヒューマンドラマ?ラブストーリー?な映画でした。これね、最後まで観て、初めてタイトルの意味がわかるので、気になる人はぜひ劇場へ!(笑)
<不倫そのものの是非ではなく、不倫発覚後の行動について>
この映画、不倫を題材にしていますが、道ならぬ恋だとか、見るも無残な修羅場だとか、そういう話ではないんです。特徴的なのは、決して「不倫ダメ絶対」みたいな方向性にしていないこと。もちろん不倫自体はよくないことですが、不倫そのものの是非や、妻が夫を責め立てるといったこともありません。夫の不倫を知った後、妻がどういう行動に出るか、そこに焦点を当てた人間ドラマになっています。いろいろ淡々と漫画にしたためていくのが無言のプレッシャーになっているのが秀逸でした。また、不倫がバレそうになった夫のドギマギしている姿を楽しむ映画でもあったんじゃないかなと(笑)柄本佑さんのこういう頼りないというか、クズというか、そういう弱々しい男性の演技も好きです。
<現実と創作の境目とは>
佐和子の描く漫画に出てくる登場人物や設定が、現実世界の自分たちにそっくりすぎてビビりまくる俊夫ですが、現実なのか創作なのか見分けがつきません。それは観ているこちらも同様で、どこまでが本当でどこからがフィクションなのか最後までわからない形になっています。そのちょっとサスペンス感ある雰囲気は好きな人は好きでしょうね~。しかも、佐和子がどこまで知っているのかっていうのもわからないので、ますます先の展開が読めずにドキドキします。
<実はキーパーソン?な母親>
個人的には、風吹ジュンさん演じる佐和子のお母さんがよかったと思います。すべてを悟っていたかのように、終始穏やかな表情ですから。なお、お父さんについては何も触れられていないんですけど、もしかしたら過去に今回と同様のことがお母さんたちにもあったのかな、、、?なんて妄想してみるのも楽しいかもしれません。ある意味、このお母さんの存在が一番大きかったかもしれないですね。
<その他>
普段穏やかな人ほど、一度怒りのスイッチが入るとどうなるかわらかないっていうのもありますが、この映画に出てくる佐和子はそういうタイプの人間にも見えてきます。穏やかで、静かで、でもだからといって何をしていいってわけじゃないですからね。逆に、どんな人にも節度と礼儀を持って接しようと思いました(笑)