身も心も図太いジジイたちがキュートな『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:52/104
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
アクション
西部劇
映画製作
【あらすじ】
舞台は1970年代のハリウッド。B級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金が返せずに大ピンチに陥っていたが、起死回生の秘策を思いつく。危険なスタント撮影で死亡事故が起きれば、保険金がガッポリ入って大儲けができるのだ!
早速ボツにしていたサイテーの脚本を引っ張り出し、老人ホームから往年のスター、デューク(トミー・リー・ジョーンズ)を担ぎ出して、西部劇の撮影を開始する。
ただし、真の目的は、映画を絶対に完成させないこと。そして、撮影中にデュークに死んでもらうこと。ところが、デュークは思いのほかしぶとくて、撮影は順調に進んでしまう。
さあ、どうするマックス!?
【感想】
これもある意味、映画製作の舞台裏を描いていますが、『映画大好きポンポさん』とは一味違ったコメディに仕上がっています。この前観た『グランパ・ウォーズ』に引き続き、ロバート・デ・ニーロがまたお茶目な役なのが笑えますね。
<とにかくジジイの必死さがおかしい>
大金を得るために多額の保険金を賭けた俳優を事故と見せかけて殺そうとするも、なかなか死なないどころか、むしろ映画として素晴らしい画が撮れていくというお話。ちょっと話は逸れますが、昔、『世にも奇妙な物語』にあったエピソードをふと思い出しました。あれは売れない作家が、自殺したいのにできなくて、その経緯を本にしたらヒットしてしまったという話だったような。
さて、話を元に戻しますね。マックスは金が返せないと殺されてしまいますから、どんな手を使ってでもデュークを死に追いやることに必死なんです。もうあの手この手で、事故に陥るシチュエーションを用意して、そこにハメようとするんですが、すべてが空振りしちゃうんですよ(笑)やってることはクズなのに、その失敗の連続は観ていてちょっと可哀想に思えるほど。
<名優たちの存在感がハンパない>
ただ、ストーリー的にはオチが読める分、インパクトはだんだん薄くなっていく部分はあるんですよ。だからこそ、目を引く役者が必要だと思うんですが、ロバート・デ・ニーロにトミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマンという大ベテランが揃ってますからね、もうその存在感だけでごはん食べれちゃいますよ。これまで幅広い役を演じてきた彼らが見せる、バカなんだけど大真面目で、冷酷なんだけど必死になる顔は本当に面白いです。
特に、トミー・リー・ジョーンズなんか、最近はBOSSのCMでしか観てなかったから、「あ、この人ハリウッドスターだったわ」って再確認するほど(笑)
<サクッと観るにはちょうどいい映画>
ストーリーはシンプルですし、愛らしいジジイたちのキャラも面白いので、ちょっと時間できたから映画でも観ようかなってときに気軽に観るにはちょうどいいと思います。最近、ハリウッドはこういうジジイたちの映画が流行っていますよね。そしてそこには大体モーガン・フリーマンがいるっていう(笑)
<その他>
『ポンポさん』を観ていても思いましたが、映画のプロデューサーも監督も、パラメータをひとつに振り切って、他全部ゼロにするぐらいじゃないと務まらないよなって思いますね。あれだけのハッタリをかましたり、風呂敷の広げたり(そしてたたまない)ってのができる人は、素直に憧れてしまいます。まわりの人は大変でしょうけど(笑)