高橋一生がひとりで突っ走ってる『九月の恋と出会うまで』
2019年公開映画36本中30位。
1年後の未来から声が聞こえるという設定のタイムリープラブストーリー。
設定にびっくりするか、感動するかのどちらかかなと思ったけど、
そのどちらでもありませんでした。
とにかく、高橋一生がひとりで小難しいことを考えて、
わーって突っ走ったら、すべてが丸く収まりましたっていう感じで、
絶妙なぐらい「なし寄りのあり」っていう映画だったな(笑)
これは、よくもあり悪くもあるところなんだけど、
個人的には、高橋一生と川口春奈の距離の縮まり方はすごく好きだった。
勢いで恋仲になるのではなく、
ラブストーリーっぽさがほぼない進み方で、
だんだんと仲良くなり、お互いの存在を意識し始めるっていうのが、
寒い日に飲むあったかい豚汁ぐらい、
じわ~~って体に染みわたってきた。
でも、それゆえに、本当にラブ感がなくて、
高橋一生とかガチでタイムパラドクスについて説明したりしてるから、
てっきりこれはSFなのかと思ったほど。
だから、ある意味中途半端っちゃ中途半端な感じだったかな。
ラブさはないし、かといってSFほど本格的でもないというね。
一番の問題は、そもそも川口春奈が消えるというのが、
可能性レベルの話でしかなかったから、
危機感もなければ、感動もないという状態になってしまったこと。
あれが、もう確実に消えちゃうっていうんだったらまだしも、
消えちゃうかもしれないからがんばろうっていうのが、
あんまりピンと来なかったかな。
もちろん、現実世界だったら、
可能性があればあらゆる手を尽くすのが当たり前だけれど、
フィクションの世界なら、もっと必然性が欲しかったなっていう。
なので、全体的には、
川口春奈のかわいさと、高橋一生の声のよさを
再認識するだけの映画だったなあという印象です。