ネタバレしても二転三転する見どころ満載な『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/17
驚き😳:★★★★☆
スリル😱:★★★☆☆
怖い😖:★☆☆☆☆
いやー、見ごたえ充分でした。9人の共同作業者が、一瞬にして全員容疑者になるっていうミステリー映画。時系列がかなりわかづらいけど、個人的には面白かったです!怖いところもほとんどないし、そういうのがダメな人でも安心して観れるかと。
【どんな映画?】
世界的ベストセラー本である『デダリュス』三部作の"完結編"を世界同時発売することになったため、9人の翻訳家が情報漏洩を防ぐ観点から、セキュリティ万全の地下室に閉じ込められて作業をしていくのが始まりです。
ところが、外部との接触は一切ないはずなのに、原稿が外部に流出し、中身をバラされたくなかったら金を払えと脅される出版社社長。果たして真犯人は誰なのか。その目的は何なのか。
【感想】
密室という限られた空間内で事件が起こるという設定や、物語の雰囲気から『オリエント急行殺人事件』や『十二人の死にたい子どもたち』を彷彿とする人もいるでしょう。僕はまさにそうでした。
しかし、この映画は前半が「静」だとすると、後半が「動」というぐらいドラマチックな展開やアクションが増えて、非常に楽しくなってきます。
さらに、こういう映画はネタバレがあると「なーんだ」と思ってそれまでのスリリングな感じから一気に緊張感がなくなってしまうのですが、本作の場合、それがあっても二転三転する流れがとても衝撃的で面白いです!
ただ、最初に書いた通り、時系列がわかりづらいので、頭の中で整理しながらじゃないと正しく理解できないというのは否めません。そう考えると、何回か観た方がよさそうな気はします(笑)
あと、面白いなと思ったのが、今回集まった9人の翻訳家たちは、それぞれロシア語、イタリア語、デンマーク語、スペイン語、英語、ドイツ語、中国語、ポルトガル語、ギリシャ語を担当してるのですが、みんなで話すときの共通言語がフランス語なんですよね。
そりや、この映画はフランスとベルギーの合作映画だから、フランス語を使うのは当然かもしれませんが、これだけ多国籍なのに英語じゃないんだっていうのが印象的でした。
しかも、何人かはスペイン語まで話せるし、中にはそれに加えて中語語も話せる人がいるから、かなりマルチリンガルなんですよね。で、それを生かしたシーンもあるのでさすがだなとは思うのですが、こりゃ日本人はいないわなってのも納得してしまいます。
いや、これだけいろんな国の人がいたら日本人がいてもいいじゃないかと、同じ日本人として思うのですが、こうもいろんな言語を操る人がいると、それに対応できる役者って日本にいるのかっていう。
この映画に限った話ではないのですが、たくさん映画を観ていて思うのは、アメリカ以外の映画って、基本は製作国の言語を使って話しているのだけど、よくよく聞いていると、途中から英語になってることもあるので、海外の役者って意外とバイリンガルなのかなって思いました。まあ、単にセリフとして覚えてるだけかもしれませんが。
それを踏まえると、邦画自体が世界で評価されることはあっても、日本人の役者が世界的な映画に出ることが少ないのは、やっぱり言語の問題が大きいのかなーなんて思ったり。
あ、話はだいぶ逸れてしまいましたが、この映画自体は面白いのでオススメします!