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ワニがいなくなったその後の展開に救われる『100日間生きたワニ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:116/136
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
動物
100日後に死ぬワニ

【あらすじ】

桜が満開の3月、みんなで約束したお花見の場に、ワニの姿はない。親友のネズミが心配してバイクで迎えに行く途中、満開の桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、それを受け取ったワニのスマホは、画面が割れた状態で道に転がっていた。

100日前―――。
入院中のネズミを見舞い、大好きな一発ギャグで笑わせるワニ。毎年みかんを送ってくれる母親との電話。バイト先のセンパイとの淡い恋。仲間と行くラーメン屋。大好きなゲーム、バスケ、映画…。ワニの毎日は平凡でありふれたものだった。

お花見から100日後――。
桜の木には緑が茂り、あの時舞い落ちていた花びらは雨に変わっていた。仲間たちはそれぞれワニとの思い出と向き合えず、お互いに連絡を取ることも減っていた。

そんな中、みんなの暮らす街に新たな出会いが訪れる。引っ越ししてきたばかりで積極的なカエルに、ネズミたちは戸惑いを隠せず…。

変わってしまった日常、続いていく毎日。
これは、誰にでも起こりうる物語。

【感想】

今、いろいろ話題になっているやつですね(笑)元はtwitterでバズってた4コマ漫画です。以下から読めます。

僕は4コマ漫画が終わってから、この存在を知って一気に読んだんですけど、正直ハマれなくて(笑)まあ、普通の感動話っていう印象で、ワニだけいつも上裸だよねってところが気になったぐらいでした。

なので、あんまり期待せずに観に行ったんですが、全然つまらなくはなかったし、悪い話でもないです。まあ、元がハマれなかったから、アニメになったことで「うおおおお!メッチャおもしれー!」とはなりませんけど(笑)

<後半のオリジナルストーリーが肝>

今回の作品、尺は63分と映画としてはかなり短いです。そういう点で観やすいってのはひとつポイントかなと。また、絵もシンプルで、動物しか出てこないので、子供に読み聞かせる絵本的に捉えてもいいかもしれないですね。

前半は4コマ漫画の内容のおさらいです。4コマ漫画の方は、言い方はアレですが、けっこうどうでもいいエピソードとかもあったものの、映画ではそういうのはなくなっているので、スッキリした印象です。

後半からがオリジナルストーリーで、ワニがいなくなった後のみんなの心境を描いた話となっています。新キャラのカエルがこの街に引っ越してくるんですが、こいつがまた本当に空気の読めないウザいやつで(笑)イラッとさせる天才というか、身近にいたらブロックしちゃうかもっていうぐらい。

でも、結果的に彼がきっかけとなって、ネズミにある行動を起こさせ、みんなも悲しみから解き放たれていくという流れは、4コマ漫画の悲しみに対する救いかなって思いました。

<全体的にポジティブな方向へ>

まあ、ありきたりと言えばありきたりだし、「きれいな方向に持ってったよね」ってだけではあるんですが、ワニが亡くなった喪失感のまま、後は読者のそれぞれの解釈に任せます的な雰囲気だった4コマ漫画に対して、ひとつの解を示してくれた感じですね。だから、話自体は感動的で悪くないですよ。タイトルも『100日後に死ぬワニ』じゃなくて、『100日間生きたワニ』とポジティブな感じにしているのもよかったです。

キャストも豪華で、おそらく制作期間もそんななかったと思いますが、総じて作品自体は否定的に捉える必要のまったくない映画かと。

<その他>

本編とは関係ないのですが、作り手の人格とか不祥事とか大人の事情とかで、罪のない作品に対して否定的な意見を言う人もいますが、そういったことと作品はもう少し切り分けてみてもいいと個人的には思います。気持ち的に難しい部分もあるかもしれませんけど。

なんか、ネットで流行ったものは、どうも「我々のもの」(この我々が誰かはわかりませんが)という意識が働いて、そこに広告代理店とかビジネス臭がする連中が入ってくると、拒否反応を示す人もいます(僕もそう感じるときはゼロじゃないけどw)。でも、あくまでも作品そのもののよさを褒め合えるようになるといいなって思いました。


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