中二病の興奮ポイントを見事に押さえた『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』
【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
配給:イオンエンターテイメント
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:29/167
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
オラゴンと5人のヒーローにより平和を取り戻した「ストライク・ワールド」。しかし今、その世界は再び戦場と化していた。
仲間の危機に駆けつけたオラゴンを襲ったのは、かつて共に世界を救ったルシファーだった。世界の滅亡をたくらむ彼女の行動に絶望する仲間たち。
ルシファーの真の目的とは何なのか。世界はまた平和を取り戻すことができるのか。
【感想】
意外にも見事な作品でした。実を言うと、もともと観るつもりはなかったんですよ。『モンスト』のアプリもリリースした頃にちょこっと触ってすぐに離脱しちゃいましたし、Webアニメ版も観ていなかったので。ただ、劇場版を過去2作観ていたのでちょっと義務感に駆られて観てしまいました(笑)
結果、よかったんですよ。
全然話題になっていないのが悲しいのですが、普通に泣けるし、個人的にはすごく面白かったです。
ちゃんとWebアニメ版を観ていれば、ね(笑)
過去の劇場版は、Webアニメ版を一切観ずに映画から入ったので、ちょっとよくわからないところもあったんですよ。で、今年になって、他メディアで展開している作品は、そっちを観てから映画に行った方がいいということを強く感じたので、今回はちゃんとWebアニメ版、観ました。
1期~3期まであるんですが、観るのは3期のみで大丈夫です。1期・2期とはつながりがないので。話数は10分~15分×63話とかなりボリューミーですが、各キャラごとに総集編って形で1時間ちょいぐらいにまとまってるのが7個ぐらいあるから、僕はそれを観てました(それでも多いですがw)。
で、これは映画を含めた3期のアニメ全体の話になるんですが、今回のモンストはあらゆるゲームやアニメ、映画の設定の要素を全部乗せしたような感じで、言ってしまえば"既視感"のバーゲンセールのような印象も受けるんですけど、うまい具合に全部噛み合ってるのが見事なんですよね。好きな人はすごく好きっていう内容で、僕にはハマりました(笑)
"ストライク・ワールド"という複数のワールドを内包した世界がまずあって。それぞれのワールドにルシファーがいて、アーサーがいて、ノアがいて、Webアニメ版ではそれぞれの主人公の物語を追っていくオムニバス形式の構成です。で、その主人公たちが最後いっしょになって悪を倒すっていう、まさにサノスに挑む『アベンジャーズ』みたいな感じになってるんですよ。
そういうストーリーはもちろんのこと、一番の推しは何と言ってもバトルシーン。シリーズの中で最もスピード感と重厚感がある上に、ド派手でかっこいい演出のオンパレードだから、まるで『Fate/stay night』を観ているかのようでした。
そもそも、アーサーが金髪のショートカットで、「いや、これセイバーじゃん。てか、セイバーもアーサーじゃん」ってツッコミはあるんですけど(笑)
他にも、ルシファーのいる天界のシーンは『ゼノギアス』を思い出しますし、デスゲートからのビーム攻撃は『スター・ウォーズ』のデス・スターを、パワーアップして衣装チェンジするキャラクターは『ドラゴンボール』の超サイヤ人を、それぞれ彷彿とさせますね。
他にもいろいろあるんですが、これまでいろんな作品で目にしてきた
「興奮ポイント」を見事に押さえてあるんですよ。だから、アニメやゲームに慣れ親しんできた人はけっこう楽しめると思います。
ただ、今回の映画についてなんですが、正直これだけ観てもまったく意味がわからないと思います。Webアニメ版を観た人なら、ルシファーの思惑と今までいる意味がほぼ感じられなかったオラゴンのがんばる姿に感動すると思います。
それにしても、このアニメや映画はいい取り組みですよね。アニメを観てキャラクターに感情移入するから、ガチャ引きたくなりますもん。僕はノア編が一番泣いたんですが、あれでパワーアップしたノアが出てきて、そのあとゲームでもガチャ引けるってなったら、そりゃ引きたくなるでしょ。僕もスマホゲームはたまにやりますが、初めてのゲームでキャラクターをよく知らないと、ガチャ引いてもそんなに楽しくないんですよね。多少弱くても、他の作品とかで知っていたり好きだったりするキャラクターがいた方が、ガチャも楽しいです。
この映画に至るまでのハードルは高いですが、うまくツボを押さえた見事な作りはあっぱれでした。
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