男性にこそ観て欲しいシングルファーザーの映画『ステップ』
【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:エイベックス・ピクチャーズ
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:34/92
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
結婚3年目、30歳という若さで妻(川栄李奈)を亡くした武田健一(山田孝之)はシングルファーザー。
仕事も営業を離れ、時短勤務が許される部署へ異動し、育児優先で生活しているものの、何もかもが予定外で、うまくいかないことだらけの毎日に揉まれていた。
そんな姿を見て、義理の父母が娘を引き取ろうかと提案してくれたが、男手一つで育てることを決める。
辛いことが多い中でも歯を食いしばり、まわりの人に支えられながら、娘が保育園から小学校を卒業するまでの10年間の軌跡。
【感想】
これは、、、辛かったです。。。辛さや悲しみと向き合わなければならない映画でした。。。
シングルマザーが主人公の映画やドラマって割と見かけますけど、シングルファーザーが主人公ってあんまりないですよね(あ、直近だとキムタクの『BG~身辺警護人~』がそうですねw)。
なので、予告の時点ですごく気になってたんですよ。同じ男としてシングルマザーより共感しやすいんじゃないかなと思ったので。そしたら、まさにドンピシャで、山田孝之の演技のよさもあるんでしょうけど、男手ひとつで育てる大変さってのがよく伝わってきました。
特に保育園時代、まだまだ手がかかる頃の大変さときたらもう。。。仕事をしながら、迎えに行く時間もままならない中で、先生からも「もっと娘さんを抱っこしてあげてください」と言われてしまい、自分としては精一杯やっているつもりなのに、至らない点もまだまだあるという自責の念。
小学校に上がって送り迎えはなくなるものの、今度は「母親の似顔絵を描く」という課題をどうしようかと学校から相談されたり、保護者面談やPTAの集まりが平日の昼間にあることをぼやいたりと、まだまだ余裕がない様子。
やがて自分が再婚を意識する人(広末涼子)が現れるも、娘との関係性にやきもきするなど、本当にこの10年気が休まるときがなかったなという印象でした。
でも、ふと思ったのですがこれって別にシングルファーザーに限った話ではなく、シングルマザーもそうですよね。つまり、片親で子供を育てる人には共通して起こりうる苦労だと思ったんです。
もちろん、過去の映画やドラマでシングルマザーの話を観て大変そうだなとは思うんですが、やっぱりどこか他人事というかリアルに実感できないところもありました(僕には子供がいないってのもあると思いますが)。
それがね、育てる主体が父親に変わっただけで、なんかすごく大変だなっていうのをもっと身近に感じられたんですよ。だから、これは男性こそ観て欲しい映画だなと思います。
でも、健一は家族に恵まれたと思いますよ。亡くなった妻の両親が本当に優しい方たちで、何かと気にかけてくれるばかりか、娘を引き取ることも考えてくれているのだから、そこだけは救いでした。
それゆえに、義理の父(國村隼)とのエピソードがすごく感動的なんですよ。ここはもうシングルファーザーとか関係なしに、単に家族の絆っていうところではあるんですが、自分も亡くなった祖母のことを思い出して余計に涙出てました。。。
子供がいなくても楽しめるというか感動できる映画ではありますが、子供がいた方がより共感と感動は大きそうな作品だと思います。
あと、本編とはまったく関係ないですが、ちょいちょい映り込む中川大志が笑えますw
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