
家族を想う母の愛が深い『秘密への招待状』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:30/39
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆
【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
ヒューマンドラマ
家族の秘密
【あらすじ】
インドで孤児たちの救援活動に人生を捧げるイザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、施設の維持費を集めるために日々駆け回っていた。そんな彼女のもとに、多額の寄付の話が舞い込む。ただし、メディア会社を経営する支援者のテレサ(ジュリアン・ムーア)にニューヨークまで会いに行くのが条件だ。
話をまとめて一刻も早く孤児たちの元へ帰りたいイザベルを、娘の結婚式に強引に招待するテレサ。寄付金のために渋々出席したイザベルは、テレサの夫を見て驚愕する。
それは21年前、イザベルが18歳のときにいさかいの果てに別れた恋人、オスカー(ビリー・クラダップ)だった。さらに、目の前の新婦グレイスが、オスカーとの間にできたイザベルの娘だと気づく。
結婚式への招待状をきっかけに明かされる、家族の衝撃的な〈真実〉と、新たな〈秘密〉。この日を境に、彼女たちの人生は予想もしない未来へと転がっていく──。
【感想】
2006年のマッツ・ミケルセン主演のデンマーク映画『アフター・ウェディング』のリメイクです。今作では、メイン2人の性別が男性から女性へと変更されている分、また違った時点で楽しめます。
さて、タイトルからしてサスペンス感あるなと思ってたんですが、実際は感動的なヒューマンドラマなんです。元の作品は邦題も原題通りなのに、なんで変えちゃったんですかね(笑)前半まではよかったんですけど、後半がどうもなあっていうのが個人的な感想です。
イザベルが元カレと21年ぶりに再会し、結婚式を挙げる花嫁がその元カレと自分の娘だったっていうところまでは面白かったんですよ。そこからどうなるのかっていうところに期待したんですが、、、ここからはややトーンダウンするんですよね。いや、話としての展開はごく自然な流れではあったんですけど、インドの孤児救済の寄付の行く末と、テレサの秘密について語られるものの、淡々としててあまり心が動かされませんでした。
話の設定や人間ドラマ的にはとても面白くなりそうなのに、あまりパッとしなかったはちょっと残念ですねー。多分、インドの孤児救済の緊迫感があまり感じられなかったのと、後半の家族の展開も、映画ではけっこう見慣れた光景だったのがその理由かなって思います。
あと、イザベルが過去にしたことに対して、反省や後悔があまり見られなかったのは、理解はできても共感はできないですね、僕は。もちろん、そこは仕方のない事情があったと思うんですよ。まだ18歳の女の子が急に子供を産むことになって、育てられる自信もないでしょうし。夫になる方もそんな覚悟はなかったんでしょう。でも、まずは「ごめんなさい」じゃないのかって思いました。
お話としては響きづらいところもありましたが、ミシェル・ウィリアムズとジュリアン・ムーアの演技は素晴らしかったです。
ただ、個人的にはオリジナル版の方が断然面白いなと感じました。そっちの方が、よりキャラクターの感情が表に出ていたり、シーンとシーンのつながりがスムーズだったりと、今作以上にわかりやすい作りなので。
もちろん、これは好みの問題も大いにあるとは思いますけど、どちらか選べと言われたら、迷わずオリジナル版を選びます、僕は。なお、ストリーミングサービスでは配信されていないようなので、渋谷TSUTAYAでDVD借りました(笑)