『ザ・ウォーク』を超える高所エンターテインメント『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:15/24
⠀ ⠀ スリル😱:★★★★☆
⠀ ⠀ ⠀ 感動😭:★★☆☆☆
歴史的意義🧐:★★★★☆
めずらしくないですか?気球の映画って。それだけで観たくなりました。
でも、、、気球ですからね。。。高所恐怖症の人はやめておいた方が無難です(笑)僕は別に高所恐怖症ではないですが、この映画を観て、「もうやめてくれ、、、」って思ったところ、何度かありました(笑)
【どんな映画?】
実話です。
ジェームズ・グレーシャー(エディ・レッドメイン)という気象学者が、自分の研究のために空へ行きたいと。そこで、気球乗りであるアメリア・レン(フェリシティ・ジョーンズ)と共に、高度11000mまで行きますよって話です。
【感想】
この手だとよくあるような、何回か失敗して、最後にようやく成功っていう流れじゃないんです。もう物語冒頭から本番。で、回想という形でこれまでのいきさつが語られるっていう構成です。
2人の人となりや関係性がよくわからないまま、早速気球に乗り込んで出発するので、最初はちょっと唐突な印象でした。でも、気球が上昇していくに連れて、目の前に広がる神々しい光景に見とれてしまいます。
『フリーソロ』で強大な山を、『ドルフィン・マン』で広大な海を観てきましたが、今回はありったけの雲です。『天空の城ラピュタ』や『天気の子』を実写化したような綺麗な神々しい雲に圧倒されます。この光景だけで、この映画観に来てよかったなって思うぐらいには本当に綺麗な光景なので、DVDとかじゃなくて、映画館で観た方がいいですよ。
でも、この映画の見どころはその大自然だけではありません。高度が上がると、酸素も薄くなるし、気温も下がるし、気球も凍るしで、大ピンチに陥ります。それをね、フェリシティ・ジョーンズが体を張ってがんばるんですが、もうそのときのシーンを思い出しただけで背筋がゾクゾクってなります。落ちたらどーすんの?!って。何度も「もうやめてくれ~」って心の中で叫んでました(笑)
マイナス15度にも到達するぐらいの寒さなのに、けっこうな薄着・軽装備で、しかも助けも呼べずに、落ちたら即死という過酷な環境なので、もはや気球に乗った研究というより、完全なサバイバルですよ。天空サバイバル。
しかも、実際の撮影も、さすがに11000mまでは行かないにしろ、キャストは600mの高さでアクションを行い、低酸素訓練を受け、テイクの間には氷に手を浸して寒さにリアリティを出していたというのだから、そのプロ意識に脱帽です。
なお、この偉業のおかげで、大気に層があることがわかり、科学的な天気予報が可能になったそうなので、歴史的意義の大きい映画ではあるものの、高所恐怖症の人にはかなり辛い映像だと思います(笑)
ちなみに、ジェームズ・グレーシャーは実在の人物ですが、フェリシティ・ジョーンズが演じたアメリア・レンという人物は架空の物だそうです。実際にジェームズに同行したのはヘンリー・コックスウェルという男性らしいので、映画として盛り上げるために、女性に置き換えたのでしょう。
(とはいえ、女性であることにそんなに意味はなかったですが。。。)