移民家族のたくましく生きる姿を描いた『ミナリ』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:38/50
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
移民
農業
【あらすじ】
1980年代、農業で成功することを夢見る韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。
荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカ(ハン・イェリ)は、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じている。
一方、しっかり者の長女アン(ネイル・ケイト・チョー)と好奇心旺盛な弟のデビッド(アラン・キム)は、新しい土地に希望を見つけていく。
やがて、毒舌で破天荒な祖母のスンジャ(ユン・ヨジョン)も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。
だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
【感想】
『ミッドサマー』のA24と、ブラピの会社プランBが製作した映画ってことで、これは面白いんじゃないかと期待していたんですが、、、個人的には「うーん?」っていう感じでした。
韓国系移民がアメリカで農業を生業にして生きていく話で、『ビッグ・リトル・ファーム』(2018)を彷彿とさせる雰囲気なんですが、物語にほとんど動きがないんですよ。
前半は特にそれが顕著で。もちろん、まったく動きがないわけではなく、夢と野心を抱く夫とそれを危ぶむ妻の口喧嘩や、祖母と孫のクスッと笑えるやり取りなどはあるんですが、それが物語に抑揚をつけるぐらいのインパクトがあるかといったら、あんまりそうは思わずでして。。。まあ、そういうこともあるよねっていう程度。。。基本的に牧歌的な世界が続いていくだけなので、むしろちょっと退屈でした(笑)
後半に起こる"思いもしない事態"と、責めるに責められないもどかしさに、ようやく映画らしい展開が来たかなって感じはするんですけど、、、遅すぎましたね。
慣れない土地で懸命に生きる家族の姿をたくましく思いますし、物語の設定も興味深さはあるんですが、いかんせん話のアップダウンが少なく平坦だったので、多分、映画にエンタメ性を求める人はハマらないんじゃないでしょうか。。。多くの映画賞を受賞して、世界のメディアが絶賛してはいるようですけど、好き嫌いが分かれそうな作品かなって思います。
以下は、映画の内容とはまったく関係ないんですけど、本作は監督の自伝的映画で、主人公を演じたスティーヴン・ユァンもアメリカに移住した経緯もあるようなので、キャスティングの親和性って意味ではいいのかもしれないなとは思いました。
また、25日で撮影を終えなければならず、予算もあまりなかったそうなんですけど、そういう制作の背景って、多くの映画賞を受賞するに当たって関係するんですかね。その事情を踏まえたら「よくここまでまとめた!」っていう見方にはなりそうです。
あと、アジア人が出る映画を観ていつも思うんですが、母国語と英語で話す基準って何かあるんですかねー。けっこうシーン関係なく入り混じってますよね。今回もそうでしたけど。しかも、今回は子役2人もネイティブで英語を話せるんですよね。世界を見据えると、やっぱり語学は大事だと思います。