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音楽だけじゃない!友達に恋愛に家族にと青春真っ盛りの『カセットテープ・ダイアリーズ』

【基本情報】

 原題:Blinded by the Light
製作年:2019年
製作国:イギリス
⠀ 配給:ポニーキャニオン

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:28/82
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】

舞台は1987年のイギリス。パキスタンから家族と移住してきたジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は書くことが大好きで、幼い頃から日記や詩を書き続けていた。

しかし、当時は人種差別が色濃く残り、「パキ野郎は出て行け」と露骨な嫌がらせを受けることもしばしば。

もともとロック・ミュージックにハマっていたジャベドは、ある日同級生からブルース・スプリングスティーンのカセットを貸してもらい、その歌に衝撃を受ける。

まわりからの嫌がらせや、頭の固い父親からの抑圧に鬱憤が溜まっていた彼にとって、ブルースの歌は自分の心を代弁しているかのようだったからだ。

その影響で彼の書く詩にも変化が表れ、徐々に人々から注目されるようになったものの、父親からは「そんなバカなことをしているんじゃないと」認められず、関係が悪化していってしまう。

【感想】

これはいい映画でした。音楽と共に駆け抜ける10代の青春って感じが懐かしみあります。洋画で音楽を題材にした映画って基本面白いものばかりな気がしますね。

作中でもブルース・スプリングスティーンを聴く人は同年代にほぼいないのですが、その趣味を親友の父親に褒められて調子に乗ってしまい、親友本人との関係がギクシャクしてしまったり、作家になりたいという夢を父親から大否定されて対立してしまったりと、若いときには誰しもが経験しそうな衝突に直面しつつも、自分が大好きなことを突き詰めていく真っ直ぐな主人公の姿は感動ですよ。

その自分の主張を押し通す力があるのがとてもかっこいいというか、うらやましいです。16歳のときの僕だったら、親に反対されただけで何も言い返せなくなってしまうと思うので。。。ちなみに、この映画は実話ベースらしいですが、実際の主人公は作中のような強さはなかったと原作者が語っていました。


そして、この映画は人間ドラマを盛り上げるブルース・スプリングスティーンの歌がいいんですよねー。実は、僕は普段洋楽をまったく聴きません。なので、ブルース・スプリングスティーンのことも知らなかったのですが、劇中の様々なシーンで彼の歌が使われていて、「こんなに多くのシーンに使えるほど幅広い歌があるのか」ってことにまず驚きました。

さらに、彼の歌はメロディーが馴染みやすいからか、洋楽を聴かない身でもスッと耳に入ってくるのが心地よかったです。

また、歌詞が主人公のまわりにテキストとして浮かび上がってくる演出があるのですが、どこが彼にとって刺さるポイントなのかってのが視覚化されてるのもいい工夫だなと感じました。

ただ、どことなく尾崎豊っぽい歌詞なので、「尾崎豊を聴いて青春時代を過ごした若者」って、そのまま日本にもトレースできそうな印象はあります(笑)もちろん、洋画だからこそのドラマチックな展開があって、ここまで感動できる作品に仕上がっているとは思うんですけど。

ひとりの歌手の歌と出会ったことで、自分の好きなことが研ぎ澄まされて、思い通りにならない環境の中でもがきながらも、それを大事にしていくストーリーは見ごたえあるし、自分のわがままだけでなく、ちゃんと家族と向き合えるところなんかも泣ける展開でした。

【その他】

ブルース・スプリングスティーンのこと知らないって言いましたが、正確に言えば知っていました。ただ、彼だということに気づかなかったんです。
劇中で彼の歌声になんか聴き覚えがあるなあと思って調べてみたら、、、やっぱり。
1985年の“We Are The World”に参加してた人でした。

彼のソロパート、すごくインパクトのある歌い方で、中学生のときにPV観てからずっと耳から離れなかったんですが、まさにその人だったとはw


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