見出し画像

結婚40年目で夫の浮気が発覚して家を出てやったら、第二の人生始まってメッチャハッピーだった『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』

【基本情報】

 原題:Britt-Marie var her
 英題:Britt-Marie Was Here
製作年:2018年
製作国:スウェーデン
⠀ 配給:松竹

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:61/93
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

63歳の主婦ブリット=マリーは40年間真面目に主婦をやってきた。

ある日夫が心臓発作で倒れたと言うので病院に行ったら、そこには長年連れ添った愛人の姿が。

怒ったブリット=マリーは生活を一変しようと家を出るも、この年齢かつ最後に働いたのが40年前のウェイトレスとあってはろくな仕事もない。

やっと見つけたのは小さな村ボリにあるユースセンターの管理人兼地元の子供たちの弱小サッカーチームのコーチ。

子供もおらずサッカーにも興味がなかった彼女は毎日がてんてこ舞い。それでも、地元の人たちに支えられながらがんばって、少しずつ受け入れてもらえるようになり、やがて気になる人もできるように。

そんなとき、夫が彼女を連れ戻しに来た。夫と元の生活に戻るか、それともこのままボリに残るか、彼女にとっての幸せはどちらにあるのだろうか。

【感想】

あー!すんごく惜しい!!予告の時点でこれは絶対イケると思ったんだけどなー!!ちょーっと思ったのと違いました。。。これは予告の影響も大いにありうるかと(笑)

全体的に、セカンドライフ始めたら充実してますみたいな流れではあるんですが、絶妙に物足りなさがあったんです。

それは、ブリット=マリーの"変化"。

慣れない環境で忙しい毎日を過ごす彼女ですが、サッカーのコーチを引き受けたはいいものの、正式なライセンスがあるわけじゃないから、このままだと子供たちが試合に出られないってのが後半でわかるんですよ。

それで子供の一人から「なんで戦わないの?“このままだと出られません”って言われて、 “そう”で終わらせていいの?旦那に浮気されても“そう”って済ませるの?」と説教されてしまうんです。下手したら自分の孫ぐらいの年齢の子供からピシャリと言われて、彼女もハッとします。

それを受けて、さあバチコンとやって彼女に大きな変化が訪れるかと思いきやー?!まさかの完全に棚からぼた餅的な展開で彼女の努力がないまま障害をクリアしちゃうんですよね。現実だったらラッキーで済みますけど、映画として観るとそこはちょっと物足りない感じがするんです。

もちろん、彼女のこれまでの努力があってこそ、まわりが協力してあげたっていうふうに捉えられもするんですが、どうせなら彼女に戦って欲しかったなあと(現実にはそういうのもなかなか難しいですけどね今まで戦ってこなかった人が急に戦うってのは無理はあると思いますが)。

でも、こういうセカンドライフ的な映画って、「長年○○だった主人公が、□□を通じて、××になりました」っていう成長や変化が一番面白いポイントだと思うんですよ。だって、現実にはそういう成長や変化ってなかなかできないし、できたとしても時間がかかるじゃないですか。だから、普段できないことをフィクションの世界でやってもらうことで憧れや共感が得られやすいと思うので、観客にとっても印象的な部分になりやすいと僕は思っています。なのに、そこがちょっと弱かったんですよねー、今回。

あと、後半がサッカーに寄りすぎかなって思いました。ブリット=マリーの仕事柄仕方ないのでしょうが、僕自身、特にサッカーに興味がないので、2005年のリヴァプールの逆転劇とか言われてもまったく共感できず。。。サッカーに詳しい人からしたらここも盛り上がれるところなのかもしれませんが。。。

ただ、個人的にそういう微妙なところは感じつつも、設定やストーリー自体は秀逸だなと思ったので、彼女と同年代の60代以上の人はもちろんのこと、
変わらない日々を抜け出すために一歩踏み出したい人とかは観てみると何かしら感じるところはあると思います。

なんだかんだで、ブリット=マリーは63歳にして、知っている人が誰もいない土地で未経験のことにチャレンジし、人々に感動を与えたんですから。これって誰にでもできることじゃないですよ。それに、彼女はそこでの生活を通じて、自分が真面目で無欲な人間になった原因が姉の存在であることも認識したりするんで、新しい環境での生活っていうのは、自分を見つめ直すいいきっかけになるのかなとも感じました。僕も30年後にこの映画を観たら、また感じ方が変わるかもしれません。

彼女の「やりたいことはいつからでもできる」みたいな締めもよかったです。ですが、その割にあの終わり方なんだってのはありますけどw

【その他】

ブリット=マリーを演じたペルニラ・アウグスト。実は、あの『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で、アナキンの母親であるシミ・スカイウォーカーを演じた方だったんですねー。まったく気づきませんでしたよw


いいなと思ったら応援しよう!