ストーカーが宙を舞い、壁を這い、人知を超えた脚力で走り抜ける『リカ 自称28歳の純愛モンスター』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:81/133
ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ホラー
サスペンス
ストーカー
メンヘラ
サイコパス
ターミネーター
スカーレット・ウィッチ
【あらすじ】
山中でスーツケースに入った死体が発見された。被害者の身元は、3年前、逃走犯の雨宮リカ(高岡早紀)に拉致され、行方不明になっていた本間貴雄。
警視庁捜査一課の奥山(市原隼人)は、潜伏中のリカをおびき寄せるため、偽名を使いマッチングアプリでリカを探し出すことに成功。
「やっと会える、雨宮リカ」。捜査と共にリカにのめり込んでいく奥山を心配する婚約者の孝子(内田理央)は、同僚の尚美(佐々木希)と共に彼の部屋へと向かうのだが……。
【感想】
2019年および2021年に放映されたドラマの映画版にて最終章(?)です。この映画を観るために、ここ1ヶ月ぐらいドラマ版を観ていたんですが、これが思いのほか面白くてですね。。。FODで配信されているので、会員の人はよかったら観てみてください。
<究極の純愛妄信者>
本作の主人公は雨宮リカ。28歳。とにかく28歳って言い張るんですよ。綺麗ではありますが、どう見ても28歳ではないだろっていうのはみんな思ってても口にはしません(笑)そして、ただただ純愛を貫きたいピュアな女性として描かれています。しかし、ピュアゆえに思い込みと独占欲が激しいのなんのって。
「あなたがいてくれてよかった」、「いっしょにがんばりましょう」、そんな言葉を投げかけられただけで、「愛の告白」と受け取り、「あたしたち、付き合ってるし、もうすぐ家庭も築くわ」と、ひとりで暴走しちゃいます。相手に恋人や家族がいてもおかまいなし。常に自分と愛する人の2人だけの世界に生きてます。
<邪魔者は徹底的に排除>
自分の恋路を邪魔する者は、その存在を許すことはありません。舌打ちと共に「死ねばいい」と言い放ち、頃合いを見計らって全員殺します。階段から突き落としたり、注射で薬を注入したりして。いやはや、恐ろしい純愛モンスターです。いや、モンスターどころではない。純愛ターミネーターと言った方が正しいかもしれません。その証拠に、ドラマ版ではタクシーに乗って逃げる男をダッシュで追いかけて、普通に追いついてますから。なんなの、この人間離れした身体能力は。。。
<映画版でのびっくり展開>
今回の映画では、ドラマ版で捕まったにも関わらず、警察病院から脱走した雨宮リカを捕まえることがメインの流れになっています。行方のわからなくなった彼女を釣り上げるため、刑事である奥山はマッチングアプリを始めます。それが罠とも知らず、ひょいひょい彼に気を許し、自分の愛を押し付けようとするリカは相変わらずでした。
ただ、終盤の孝子とのバトルはあまりの展開にびっくりで、観客みんな吹いてましたよ(笑)まさか、まさかね、「シャアッ」という掛け声と共に宙を舞い、壁に張り付くなんて、、、!突然のB級特撮映画に度肝を抜かれました。しかも、着ている服が赤いコートだから、これ絶対スカーレット・ウィッチを意識してるだろって(笑)
あの人間離れした身体能力が何なのか、まったく語られませんが、そんなのどうでもいっかって思わせるぐらいには振り切ってて、個人的には好きでした。
<遺伝するメンヘラ>
ドラマ版を観ればわかるのですが、リカはそもそも母親自身もメンヘラかつ独占欲が強い人だったんですよね。「ああ、そういうのって遺伝すんのか」って思ったほどに、強烈な母親でした。しかも、リカには姉がいたんですよ。その姉に憧れてるんですが、なかなか自分を出せない引っ込み思案なところがあって、モヤモヤした学生時代を過ごしていました。ネタバレになってしまうので、彼女の過去についてはここらへんにしておきますが(笑)
<その他>
こういう設定やキャラクターが振り切ってるドラマ、日本にももっと増えて欲しいですね。もう医者とか刑事とかのドタバタはちょっと観飽きた感があります(笑)って、これはもともと深夜ドラマなので、やっぱりプライムタイムより深夜帯の方が振り切った作品多いんですかね。深夜ドラマは眠いから観ないんですが。。。(笑)ちょっと、これからは深夜ドラマも少しチェックしようと思いました。
この映画、世間の評価は高くないんですが、個人的にはいろいろぶっ飛んでて好きだったので、まずはドラマから観ることをオススメします!
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