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フュージョン料理でみんなを幸せにしようとした12歳の少年の健気さが光る『エイブのキッチンストーリー』

【基本情報】

 原題:Abe
製作年:2019年
製作国:アメリカ、ブラジル合作
 配給:ポニーキャニオン

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:36/176
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

ブルックリン生まれのエイブ(ノア・シュナップ)は、イスラエル系の母とパレスチナ系の父を持つ。文化や宗教の違いから対立する家族に悩まされる中、料理を作ることが唯一の心の拠りどころだった。

ある日、世界各地の味を掛け合わせて「フュージョン料理」を作るブラジル人シェフのチコ(セウ・ジョルジ)と出会う。フュージョン料理を自身の複雑な背景と重ね合わせたエイブは、自分にしか作れない料理で家族を一つにしようと決意する。

果たしてエイブは、家族の絆を取り戻すことができるのか。

【感想】

これはすごく面白かったです!料理をテーマにした映画ってけっこうポピュラーだと思うんですけど、この映画が他と違うのは、家族背景が複雑すぎるというところですね。仲が悪いというレベルではなく、母がイスラエル系で、父がパレスチナ系という歴史的に見ても対立し合う二つがひとつの家族になっていますから。

だから、単にケンカの仲裁を料理を通じて行うという話ではなく、それぞれの文化や故郷に配慮した料理をミックスさせて、みんなが幸せになればいいと願う12歳の少年の健気さが感動的なんです!

料理も多国籍だから見た目も華やかですごくおいしそうだったし、これは日本からは生まれない映画だろうなーって思いました。

しかも、料理の様子をSNSにアップするっていう現代っぽさも取り入れながら、テンポよく進んでいくからすごく観やすいのもよかったし、空腹時に観るとある意味辛いおいしそうな料理の数々と、家族の感動物語がうまく合わさったとてもいい映画だと感じました。

あと、これは海外ならではなのかなって思ったのがエイブの扱いなんですよ。12歳のエイブが大人たちに交じって料理の修行をするシーンがあるんですけど、ほとんどアルバイトみたいな感じなんですね。つまり、子供が大人といっしょに働いてるってことです。この映画だと別に違和感なく観れたんですが、果たして日本で同じようなシーンあるかなって思いました。

日本だと子役って本当に子供みたいな役が多いイメージですけど、この映画を観る限りでは、向こうではもはや子供は「小さな大人」と認識されているような印象を受けました。もちろん、エイブに料理の素質が備わっていることが前提ではあるんですが、あんまり日本の映画やドラマでは観ないかなーって。

とはいえ、ノア・シュナップ自身は実年齢16歳だから、そんなに子供にも見えないんですけどねw


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