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人生の一コマ 第30話。

今回は 夢で会った存在が6年後に  目の前に現れた話を書いてみます。


第一子が幼稚園に通園していた頃のこと。


       これは夢の中の話です。


場面は   第一子の幼稚園の遠足に親子で参加している。


園児服を着ている我が子と手を繋ぎ遊園地を歩いていると

いつのまにか 皆んなと離れてしまって 親子だけで歩いていた。


すると 高さ5mほどの木像の仏像に出会った。

すでに 雨にさらされ 朽ち果てている。

さらに 虫喰いの後のような穴も空いており 

今にもバラバラになってしまいそうに見えた。

しばらく親子でその仏像の前にいたが 誰もこないので 

皆んなを探す為に歩き出した。

しばらく歩くと とっても大きい倉庫が建っていた。

まるで 飛行機の格納庫のような大きさだ。

大きな扉も付いている。

その倉庫の中からとても強い光が漏れているのが

気になったので行ってみることにした。

扉の前で耳をすませても中からは何の音も聞こえない。

私は扉を両手で掴んだ。

重くて開けることが出来ないかと思ったが

扉は滑るように開いた。

すると 扉の中は黄金の光でまばゆかった

しばらくすると 光に 目が慣れて来たのか 中の様子がはっきりして来た。

目の前には黄金の壁が見えた。

右を見ても左を見ても黄金の壁だ。

目を上に向けると12mの高さはあるだろう仏像の姿が現れた。

私は少し不安になり 我が子の手を強く握りしめた。

しかし私たち親子はその場から離れる事なく

しばらく仏像の足元で黄金の光に包まれていた。   

一切の曇りのない黄金の輝きとは本当に美しいものだった。

そして 赤ちゃんの健康的な  すべすべの肌のような潤いも感じ

不思議と安堵感も感じて来た。

私は思わず仏像に話しかけてしまった。



「あなたはどちら様ですか。」


仏像
「私は大日如来だ。」



「あなたは向こうに見える木像の仏像とお顔が似ていますが

あちらは 今にも朽ち果ててしまいそうです。

なのに あなたは 黄金に輝いてお姿もご立派です。

何故ですか。」

仏像
「新しい姿を得たのです。」

「以前の私の力ではこれからは通用しませんから 。」


「そうですか。」

「それでは 私たち親子を宜しくお願いします。」

仏像
「わかった。」

ここで 夢は終わった。

     私は夢の中の出来事だが 「変な夢を見たなぁ」と 思いながらも

我が子が通園していた幼稚園はお寺さんが運営していたので

保護者会があると僧侶姿の園長先生の法話が恒例だったので

仏像が夢に出てきても不思議ではないと、自分に言い聞かせた。


    この夢を見た6年後の事だ。

私は夫が他界したことで 故郷に帰って子育てをしていた。

私の父はその頃 

 お風呂で湯槽に浸かりホットして力が抜けリラックスすると

婿殿(私の夫)が目の前に現れるようになって、

肉体を持っていない婿殿に よく会うようになった。

すると  酒乱の  父が お酒も控えるようになり 

優しい爺じをしてくれるようになっていた。


深い悲しみのを家族で力を合わせ乗り越えていた時、

父が京都にある菩提寺の総本山へ先祖供養に行こうと決断した。

  

    その時 京都は紅葉が美しく

私たちは総本山の宿坊に泊まることができたので

秋の早朝の清々しい空気のなかで

 秋の美しい庭を堪能することができた。

今でも脳裏に美しく再現されるほど記憶に残っている。

こうして美しい庭は私の悲しみをいっ時 心から排除してくれた。

私は 朝のお勤めが行われる 金堂に僧侶に案内していただいた。

私の席は 御本尊の真正面だった。

真言宗の総本山なので御本尊は大日如来だ。

私は お辞儀しながら大日如来のお姿をのぞきこむことに成功した。

私は大日如来と目があった時に

「こちらにいらっしゃったのですか」と 話しかけてしまった。

夢の中の大日如来は立ったお姿だったが。

総本山の大日如来は座っておられたが

御顔も雰囲気もそっくりなのだ

そして 私と目を合わせ「よく来たな」と微笑んでくれた。

私は一瞬にして  6年前の夢を思い出し、

あの時 私が 「宜しくお願いします。」とお願いした事を

大日如来も覚えていたのだとわかった。


この朝のお勤めは般若心経をお唱えしながら心温まるものとなった。


大日如来は私が生き抜く力を取り戻すために時空を駆け巡り

先祖供養には関心のない生き方をして来た  父の気持ちを動かし

私に大いなる慈悲を与えてくれたのだ。

私はこうして 時空を超えて動き回る存在が

物質を持っている存在の

サポートをしてくれている事を体験した。


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