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民間学童保育の経験シェア
この記事は、これからお子さんが入学される方や、お子さんの学童保育を検討中の方に向けて、いち経験談をシェアするものです。この記事のうち、民間学童保育の実体験に基づく箇所は有料です。
多くのバスの初乗り運賃と同じ値段で、近所の散歩にいつもと違う道を通っているような、ちょっとした視点の変化を与えることが出来たらと考えて値段を設定しました。
知っているようで曖昧な理解、「学童保育」って何?
難しく感じてしまうかもしれませんが、そもそもの理念や由来を頭に入れてから、お子さんの学童保育を考えてほしいという思いがあり、最初に学童保育についての説明のセクションを入れました。
「学童保育」のベースになっているのは「児童福祉法」という法律で、保育所の管轄と同じ厚生労働省による取り組みです。正式名称は「放課後児童クラブ」と言います。放課後児童クラブの目的は「共働き家庭など留守家庭の小学校に就学している児童に対して、学校の余裕教室や児童館、公民館などで、放課後等に適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る。」というものです。本来の趣旨は「遊び及び生活の場」であることは覚えておきたいところです。
厚生労働省調べによると(※1)、令和2年(2020年)7月1日時点で、放課後児童クラブは全国の小学校数(約2万校)(※2)より多い、約2.6万箇所に設置されており、約131万人が利用しています。待機児童数は約1.6万人で、うち1,000人以上待機している都道府県は東京都、埼玉県、千葉県です。
放課後児童クラブの事業者は届け出が必要で、放課後児童支援員(保育士や社会福祉士の資格を基本として、研修を修了した者)の配置も定められています。
(※1)厚生労働省が毎年実施している、放課後児童クラブ実施状況調査結果の2021年1月時点の最新報告(2020年12月23日報道発表)です。
(※2)(参考)小学校の数の引用元は、文部科学省による令和2年度学校基本調査です。
一方で、文部科学省による全児童を対象とした放課後子供教室という取り組みもあります。こちらは全児童を対象に、地域の実情に応じて「学習・体験活動の場」を目的に学習支援や多様なプログラムを実施するものです。時間は放課後児童クラブより短く夕方までのことが多いです。児童クラブと異なり、帰宅後ランドセルを置いてから来館という決まりがある自治体もありますので要注意です。
保育所/幼稚園/認定こども園という幼保一体化の取り組みと同じく、厚生労働省による放課後児童クラブと、文部科学省による放課後子供教室を一体で取り扱う自治体も増えています。
ワーママ以前の私が参考にしていた本2冊
続いて、出産前の保育園探しや小1の壁に漠然とした不安を抱いていた頃に手に取り、子供の保育園と小学校生活を経験していく中でも参考になった本を紹介します。(2021年時点では情報が少し古くなっているかもしれません)
①「さあ、育休後からはじめよう ~働くママへの応援歌~」(著:山口理栄さん、新田香織さん)
育休後コンサルタントとして活躍されている山口理栄さん、社会保険労務士として働く新田香織さんによる書です。正確な情報に基づく、ワーキングマザーを囲む家族や職場との接し方のヒントとなる客観的な視点をくれました。私は初版を読んでいましたが、2016年に改訂版が出ていました。(育児/介護休業に関する法律は毎年と言っていいほど改訂されているので、時々厚生労働省ホームページ(※3)で最新情報のチェックをお薦めします)
私はこの本でTwitterのハッシュタグ#wmjpや#junewを知り、孤独な乳児期の育児時間に、同じく必死な母達の存在を知り、救われたことを覚えています。生まれ月のタグで知り合ったワーママのつながりには、子供が小学生になった今も戦友のような感覚があります。
この本に記載の「ここからは一人旅」や「ロールモデル思考法(一人の人物をロールモデルとして選び妄信するのではなく、生き方や時間の使い方など人生のあらゆる場面に関するたくさんの情報から、なぜ自分がその対象に惹かれるのか考え続けること)」という言葉は、育休復帰から時のたった今も、私の心の中にあります。
(※3)厚生労働省:育児休業に関するページ
②「働くママ」の時間術(著:馬場じむ子さん)
産休直前にこの本に出会いました。保育園からの呼び出し電話、子供の通院、PTA、職場での情報共有など、筆者の実体験に基づく具体的なノウハウが非常に参考になりました。我が家は「子供の通院任せのカード」がベビーシッターさんとの引き継ぎ時の念のための連絡用に役立ちました。
この本の一番良いと思うところは、事情があり仕事を辞めることになった方への言葉です。子供が居てもキャリアアップという点に光が当たりがちな昨今ですが、自分にも周りの人に対してもこの視点は忘れずにいたいと感じています。
入学前に考えていた学童保育の条件
保育園選びと同様に、学童保育も、支払う費用、立地、運営の仕組み、スタッフ等、全ての項目を満たす場所を見つけるのは非常に難しいと思います。事前に自分と子供にとってゆずれない基準は何かを決めておくと、迷った際の指針になると思います。私が入学前に学童保育に求めていた条件は以下の4つでした。
① おやつ有
保育園時代に小学生の先輩ママから、おやつはあった方がいいと力説されていました。おやつが無いと、下校後、親が帰るまで空腹のまま待つことになるからです。私の勤務形態から毎日夕方までに帰宅するのは難しく、おやつが楽しみだった自分の小学生時代を思い返し、おやつを出してくれる学童保育が良いと考えていました。子供の通っていた保育園は食育に力を入れていたため、出来れば手作りおやつがいいなと考えていました。
※このあたりの価値観は子供に依ります。「おやつは要らない」と出されても持ち帰る子や、元々食べない子も居ます。
② 子供に合うか
人見知りで根性系は苦手な子供。全て英語で過ごす学童も嫌だと言われました。学童保育は全て子供と一緒に見学し、子供が行きたいと感じた場所を選びました。※選択肢の少ないエリアや校区もあると思いますが、私の子供の場合は少ないながらも選択肢があったため、子供との相性を重視しました。
③ 環境 ~安全に、楽しく過ごせるか~
保育園同様、多くの学童保育は厳しい運営で成り立っています。見学時に、スタッフ間のやり取りや子供への声かけの状況など、人手(ひとで)の充足度を肌で感じるようにしていました。子供が学童保育に入ってからも、スタッフの入れ替わりの頻度などには注意しています。
放課後児童クラブの対象年齢は概ね10歳未満(「小4の壁」の由来の一つ)でしたが、平成27年度(2015年度)から6年生までに拡大されました。合わせて共働き層増加による学童保育のニーズ増加により、児童1人あたりのスペースが狭い時間帯がある学童保育もあると感じています。私の子供は混み合っている学童保育を嫌がったため、子供の性格も加味して、比較的スペースに余裕のあった学童保育を選びました。
④ 自分の就労状況に合うか
私はフルタイムワーキングマザーで、子供が保育園児の時には延長保育も利用していました。小学生の帰宅時間に自宅にいることは難しい状況で、夏休み/冬休み含めて通年の利用が必須でした。(2020年以降、在宅勤務時は子供の帰宅時間に自宅で迎えることが可能になりました)
そのため開館時間や学童保育との距離(送迎の有無等)が合わない施設はどんなに素晴らしい内容でも、親として対応できないので見送りました。
以下の有料部分では、私の子供の民間学童の経験について記載しています。但し、以下に当てはまる施設の話ではありません。
英語で過ごす民間学童について知りたい / 運営母体が学習塾やスポーツクラブの民間学童について知りたい / 保護者が運営に関わる「育成会」による民間学童について知りたい
こちらについて知りたい場合は、他の方の経験談の参照をお願い致します。
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このnoteでは社会人大学院での研究経験、そして技術職・研究職として働く日々から生まれた、子どもと科学へのまなざしを綴っていきます。 サポート頂いた気持ちは、私の研究やアウトリーチ活動を広めていくための学びに使わせていただきます。