某ブランドのパーティーへ行ったら、爆音と光と酒に五感をやられて数万円のネックレスを買ってしまった話
『参加費無料、アルコール飲み放題だよ』
という、友人の甘~い誘惑にのって、某ブランド主催のパーティーへ行って来た。
PARTY、という単語は知っているが、生まれてこのかた、そんな洒落たものに参加したことはない。
アメリカはパーティーが頻繁にありドレスを着る機会も頻繁にあるので、安くて可愛いものが簡単に手に入る。
この日のために、いや、むしろ、この日しか着ないであろうドレスとヒールのサンダルを調達した。
開催は19時から。
初めてのパーティーにドキドキしながらドレスアップを完了させた。
さて行きますか…と、18時45分くらいにタクシー会社に電話してみる。
すると、
『えぇぇー…。
今、夕食中だから行けませんよ。(キレ気味)』
という、謎の理由で断られるという事件発生。
この会社は運転手1人でまわしているのだろうか?
気を取り直し別のタクシー会社へ連絡。
幸いにも夕食中ではなかったためすぐに駆けつけてくれ、無事に会場へ到着した。
会場といっても店舗で行われているのだが、普段はお高めでシックな店内が、今夜だけはこんな感じであった。
爆音で何も聞こえないし商品も見えやしない。
こ、これが、パーティー…!
夜というものは、敵に見つからないように最大限の電気と音と気配を消す認識であった。
これは敵に見つかる可能性しかない。
雰囲気に圧倒されつつ、ワイン片手に滞在すること小1時間。
アルコールと爆音、ライトアップにより思考能力・聴覚・視覚全てが完全に麻痺し、今なら何か買えそうな気がしてきた。
そこから勢いが加速。
買うぞ… 買ってやるぞ…!
そうして、友人は数万円のジーンズ、私も数万円のネックレスをお買い上げしてしまった。
懐は痛いが、初めてのパーティに大満足である。
昼間だったら絶対に買っていない。
夜は怖い、そしてお酒は怖い。
金銭感覚が麻痺したため、帰りのタクシーでは
無駄にチップをはずんでしまった。
踊り場にホームレスの住む、おんぼろアパートで降りたくせに。
そして現実へ戻るのである。