生産財マーケティング2021年1月号の「我が社の戦略機種」からみる工作機械トレンド
生産材マーケティングの2021年1月号で発表されていた「我が社の戦略機種」をまとめて見ました。昨年は機械技術2019年12月号に載っていた「最新マシンの活用術」をまとめましたが、今年は機械技術は、JIMTOF特集でしたが、JIMTOFに関しては少し雑ですが別記事でまとめたので、今回は生産材マーケティングの特集をまとめて見ました。
過去記事
今回のまとめ
全部で23社ですので全体数が少なくあまり参考にはならないかもしれませんが、昨年度と比べて気づいた点を少しだけ書こうと思います。
1. マシニング
昨年度は5軸加工での提案が主でしたが、5軸加工を戦略機種にしているところは8社中3社でした。その内、松浦機械は多面パレットや多数マガジンでの5軸機での変種変量生産自動化の提案をしていました。
一番目立ったのは省スペース化でした。機械自体の幅を従来機よりも狭めた上で、加工スペースは確保するといった機種が目立ちました。これらはJIMTOFで他メーカーも提案しているところが多かったため、省スペースで多品種を加工できる機械が今一番求められているのだと思いました。
さらに豊和工業とホーコスは切屑対策を提案しており、これらのメーカーは自動車部品の量産ラインで使われるマシニングのため、今自動車の量産ラインでは、自動化は進んでいるため、連続加工を止めない対策、特にクーラント・切屑関係の対策が求められているのではないかと考えました。
2. 旋盤
旋盤はJIMTOFでも感じましたが、新しい提案が多く興味深かったです。高松機械工業の穴あけも旋削もできるモジュールを3台組み合わせて1台の機械にすることで、省スペース化、及び全体のコストダウンを計る機械や、JIMTOF出展しなかったFUJIの対抗2軸の旋盤の真ん中に工具マガジンを起き、変種変量の加工に対応する機種など、多様なニーズに答えるため新たな旋盤が出てきています。さらに中村留精密では、簡易移動式ロボット付ストッカーなども提案されており、変種変量生産に対応する現場を考えたソリューションが提案されていました。
3. ソフト面
昨年の機械技術2019年12月号の「新たなマシン」では、プログラミングの自動化や、機上測定など検査の工程集約など、ソフト面の提案が多かったように思います。研削盤は機上測定などを提案していましたが、今回はプログラミング自動化の提案はなく、ソフトよりもメカ部分での提案が多いことが気になりました。
4. まとめ
コロナ後の景気やEV化、リモート・5G社会に伴う半導体需要などから、モーターコアの大型金型や複雑形状部品の加工、変種変量生産になっているのはもちろんですが、おそらく新たな分野に進出するお客様向けにまずメカ的に(ハード面的に)、様々な品種・材質のものが加工できることを一から提案しているところが多いように思いました。そのためソフトによる工程集約よりも、ハードの変種変量生産に対応する加工スペースや、狭い工場に新しく機械を入れられるよう省スペース化、そして変種の自動化に対応できるよう移動式ロボットや他本数マガジンなどがあげられているのではないかと思いました。
ただ、今回の業種も違う23社だけでは、情報が少ない上にざっくりすぎるため、次回からは「機械種類・加工内容毎の新しい機械・自動化技術の方法」をメーカーの詳しい機種紹介と一緒に行っていきたいと思いました。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。