テレビに素人が復活する日
もう今更という感じではあるけれども、最近、視聴者参加番組が少なくなったなあと思った。
コロナの影響もあるのだろうが、それだけでもないだろう。
スタジオ観覧などは、いろいろな番組で復活している。
コロナ以前から、もうそんな番組は無くなっていたような気もする。
以前はクイズ番組や歌番組など、テレビは出るものと思っている視聴者もいたのではないだろうか。
それくらい、たくさんあった。
思いつくままに書いてみる。
海外旅行があたる「アップダウンクイズ」
階段を登るミニスカートのCAさん、見えそうでみえなかった。
児玉清の「アタックチャンス!」で有名な「パネルクイズアタック25」
「文学歴史の10」て、一度言ってみたかった「クイズグランプリ」
「ゾウさんチーム」「クマさんチーム」の「家族そろって歌合戦」
みんな「ある、ある、ある」って言ってた、関口宏の「クイズ100人に聞きました」
チョメチョメを流行らせた、山城新伍の「アイアイゲーム」
白いギターとEDWINのジーンズに若者が憧れた「TVジョッキー日曜大行進」
他にも、視聴者がスタジオやステージに上がって参加する番組は山ほどあった。
今ではどうだろう。
せいぜい、街頭インタビューなどで参加(と言えるのかどうか)する番組くらいだ。
今でもあるのは、
「NHKのど自慢」
「新婚さんいらっしゃい」
「開運!なんでも鑑定団」
くらいだろうか。
昔の視聴者参加番組では、賞品も豪華だった。
100万円、200万円から海外旅行まで。
中には、その場で札束を渡す番組もあった。
白いギターなんて、お金に換えられない価値があったに違いない。
無くなった原因はいろいろあるだろう。
テレビ局が、それほど豪華な賞品や賞金を提供できなくなった。
あるいは、視聴者が相対的に裕福になり、かつては目玉商品となり得た海外旅行も有難みが感じられなくなった。
素人が参加することによる個人情報の取り扱いが難しくなった。
テレビに出ることがそれほど特別なことではなくなった。
これには、テレビに出ている人が特別な人ではなくなったという側面もあるだろう。
クイズ番組などは、東大ビジネスが横行してセミプロ化してしまっている。
特技などは、わざわざテレビで披露しなくても、YouTubeなどで直接発信することができる。
それともうひとつは、これはテレビ局のことなんか何も知らない視聴者の感想だが、テレビ局が手間暇を惜しむようになって来たのではないか。
素人をテレビに出そうとすると、募集して、オーディションをして、局までの足や宿泊の手配、当日の段取りなど、何かと手間がかかる。
その点、プロを使っておけば、それなりになんとかしてくれる。
タレントだって生活がかかっているのだ。
衰退していく未来しか見えないテレビだが、ここでもう一度手間暇かけてみる価値はあると思うのだけれども。
テレビっ子、すでに死語だろうか。
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