知財実務オンラインの対決イベントに参加して
毎週木曜日にゲスト講師を迎えて知的財産に関するセミナーを開催している知財実務オンライン
2020年6月以来、これまで32回も配信され、知財業界のYouTubeチャンネルの雄となっています。
今回、その知財実務オンラインの特別編に登壇しました!
特別編開催の経緯
知財実務オンラインを運営している弁理士の加島先生と押谷先生が、「知財実務オンライン」の文字を商標出願していました。
この出願に対して、匿名の第三者から『登録すべきではない』ことを主張した情報が特許庁に提出されました(※「情報提供」と言います)。
そこで、加島先生と押谷先生が、この情報提供について、知財実務オンラインで発信したらおもしろいんじゃないかと企画したのが始まりです。
特別編の内容
特別編の内容は、複数の弁理士が、商標「知財実務オンライン」の商標登録が “認められる”派と ”認められない”派 に分かれて、論戦を交わすというものです。
出場者
出場したのは、私のほか、次の3名の先生方。
廣田 美穂 先生(あいぎ特許事務所)
土野 史隆 先生(特許業務法人Toreru)
岡村 太一 先生(ブランデザイン特許事務所)
みなさん商標実務を長く経験されている実力派です!
廣田先生と私が、登録が認められる派の立場、
土野先生と岡村先生が、登録は認められない派の立場です。
開催前の心証
この企画に参加することが決まった後、私は、情報提供された資料の内容を読み、そこで使われている「オンライン」の言葉の使われ方を検討しました。
個人的な心証としては、情報提供された内容に対しては反論の余地は十分にあるなぁという考えでした。
ただ、審査基準や過去の裁判例での考え方からすると、微妙な判断になりそうで、自信を持って結論付けられない案件だと思いました。
議論の方向
情報提供の主張は、「知財実務オンライン」が『サービスの内容を示すに過ぎない』、『他人のサービスと区別するための目印にならない』ことを理由に商標登録されるべきではないというものでした。
そのため、今回の議論でも、この点について、お互いの主張をぶつけあいました。
視聴者参加型
普段の知財実務オンラインもそうなのですが、YouTubeのコメント欄で、視聴者が自由に意見や質問を投稿することができます。
今回は、弁理士同士が戦う内容なので、応援コメントがたくさんついて面白かったです。
また、最終結果についても、視聴者が、”登録が認められる”、”登録が認められない” を投票して、結果を発表するというものでした。
こういったやり取りができるのも知財実務オンラインの魅力です。
出演した感想
最初に出演のお話をいただいたときは、出願中の案件について複数の弁理士が寄ってたかった議論をするという、普通はあり得ない企画なので、ワクワクしました。
そして、当日の論戦では、他の先生方の考え方、理論の組み立てをやり取りできたのは勉強になり、貴重な経験になりました。
実際の私たちの仕事では、意見書や補正書でしか主張内容のアウトプットはないので、その手の内を口頭でやり取りするって、なかなかないですよね。
その他の気づきとしては、こちらの主張を通したい場合に、主張をより強固にするために必要な思考方法として「自社とは逆の立場から物事を考える」のは、本当に必要な思考だと思いました。
最後に、私は非常に小心者で、相手方となった土野先生の冷静沈着な主張にビビり、岡村先生を応援するガヤ勢からの応援に怖気づいてました。
ほんとに表情にでちゃうんですよね・・・。
詳細はぜひアーカイブ配信内容をご覧ください。
ちなみに、知財実務オンラインの第1回目の講師は私です。こちらもご覧いただければ幸いです。
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