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踏み台の製作 ~①設計・材料調達編~
前回、私の日曜大工の作品をご紹介しました。
その中で紹介した「踏み台」は、子供が洗面台で手を洗ったり、大人が段差のない玄関で靴を履いたりするときに重宝します。
今回から連載で、この「踏み台」の作り方を公開したいと思います。
第1回目は、設計から材料の購入までをご紹介します。
設計
まず、設計をするにあたって考えたポイントは以下の点です。
・安定性があること
踏み台なので、立って使ったときにグラつかない構造は必須です。
・頑丈であること
子供がどのような創造性ある使い方をするかわかりません。ちょっとやそっとのことで壊れない頑丈さが求められます。
・作りやすいこと
あくまでも”日曜大工”です。作りやすくないと完成しません💦
踏み台を単純に考えると、天板を4本の脚で支える構造を思いつきます。
しかし、そこには、欠点があります。
・4本の脚の長さをすべて揃えないと、天板が水平にならなかったり、グラつきの原因になる
・天板に脚を取り付けるだけだと、横方向の強度が不安
そこで思いついたのが、一枚の板をそのまま脚にしてしまう方法です。
板が平行に切断されていれば、必ず2本の脚は高さが同一になります。
その時に私が描いたイメージ図が、こちらです(絵心・・・)。
この設計図を基にCADソフトで描いた図がこちら↓
日曜大工でCAD図を作る必要はありません💦
このときは、フリーのCADソフトがあったので、試しに使ってみただけです。
木材購入用の図の作成
次に、木材を買うときのことを考え、一枚の板をパーツに切ったときのイメージを含め、木材の寸法を記載した図面を清書します。
ここで、木工家具の場合、木目の方向は、強度と直接関係するので、図面作成のときに、木目の方向も考慮して設計します。
そして、図面には、木材購入の際に間違わないよう、木目の方向もしっかり記載しました(ちなみに上のCAD図では、天板以外はすべて木目の方向が90度回転してしまっています)。
上記のイメージ図を清書した感じで↓の図を作成しました。
木材の購入
・どこで買うか
ホームセンターで買うのが無難です。
私は「島忠」が大好きなので、いつも島忠で買っています。
東急ハンズでもカインズでも、木材が売っていればいいと思います。
・何を買うか
ホームセンターでは、いろいろな種類の木材が売っています。
合板(ベニヤ)、集成材、SPF材、無垢材などなど・・・。
少なくとも、子供が素足で乗ったりするものなので、ササクレやトゲが出やすそうな素材(例えば、ラワン合板)は避けた方が良いと思います。
集成材は、小さな木片を組み合わせて一枚の板を作ったもので、品質が安定していて加工しやすいと思います。
また、SPF材は建材にも使われる木材で、集成材よりも軽くて加工がしやすく、安価です。
ただ、耐水性が低く、反りも生じやすいという難点があります。
SPF材は、ホームセンターで売られている段階から反っているものもあるので、かならず引っ張り出して、購入前に吟味が必要です。
また、板に表れる”節”は、固くて加工の際に邪魔になるので、設計図と節の位置を見比べて、節を避けて加工できるかどうかもチェックします。
私は、踏み台を無垢材、集成材など、複数の素材で作りましたが、この記事で紹介する踏み台は、SPF材を使って製作したものです。
・どう買うか
木材のサイズは、いろんなものが売っています。設計図のサイズの木材を切り出せるサイズを探せばよいと思います。
ただ、ホームセンターで購入する木材が決まっても、そのまま買って帰ってはいけません。
多くのホームセンターでは購入する木材を機械によってカットする有料サービスをやっています(直角に直線のみのカットが多い)。
購入する木材を決めたら各パーツごとに分割すべく直線カットをやってもらいます。
日曜大工は全て自分の手でやる必要はありません。
最終的に安定した踏み台にするために、遠慮なくこういうサービスを利用します。
なお、このとき、切って残った端材は必ず持って帰ってきます。
後々の作業でいろいろ使用できます。
ホームセンターで各パーツに切断した木材です↓
これで安定した踏み台が作れます!
ここまで切り出してもらうと、後には引けないので、作り進めるしかなくなります(笑)。
次回は、ホームセンターでは対応できない切断の内容をご紹介します。