プロとノンプロの違い
ふと、プロとノンプロの違いは何だろうと考えていた。
言葉の定義上の話ではなく、いわゆる皆が想像するプロフェッショナルとノンプロフェッショナルの違いのことなのだけど、皆さんはどういう違いがあると考えるだろうか?
精神的な面ももちろんある。だけど、これはそこらじゅうで議論されていて、今更何を言おうと大した進展はなさそうだということで、技術面にフォーカスしてみる。
技術面におけるプロとノンプロの違いは実はあまり抽象的に議論されていない(と調べていて思った)。
これは考えてみると中々面白い。
細かいことを言い出せばいくらでも差が出てくるのに、抽象化するのが中々難しい。
私は野球をやってきたので野球で考えてみる。実のところ、私とプロ野球選手にはあまり大きな差はない。私をアマチュアの代表値にしていいのかという点に疑問は残るが、つまり、アマチュアとプロの差というのはあまり大きくないと言っていい。
私は大体140km/hぐらいであれば打ち返すことができる。150km/hも打てないことはないが、打つというよりは当てるに近くなってしまう。ちなみに140km/hのボールであれば、ピッチャーの手から離れてホームベースに到達するまでの時間はおよそ0.44秒だ。
最近のプロ野球は球速がガンガン上がってきている。もちろんそれに対応して一流の選手であれば160km/hを弾き返すこともできる。ちなみに160km/hのボールであれば、ピッチャーの手から離れてホームベースに到達するまでの時間はおよそ0.38秒だ。
「140km/hを打てる」と「160km/hを打てる」では、一見してものすごい差があるように感じるが、時間にしてみれば0.06秒の差しかない。
0.06秒という時間を体感したことがあるだろうか?おそらくほとんど全ての人は気にしたこともないような時間ではないだろうか?
つまり、プロ、しかも超一流と呼ばれる人達とアマチュアの差はその程度のものなのだ。
誰も感じたことのないような小さな差しかない。
だが、この差は簡単に埋めることができるものだろうか?
残念ながら、ほとんど不可能に近い。
その0.06秒を埋めるためにどれほどの努力が必要か、私はよく知っている。この差は僅か0.06秒だが、費やした素振りの本数の差はどれほどになろうか。おそらく数十万は下らないだろう。
いや、プロとノンプロの差が努力にあると言いたいわけではない。
プロとノンプロの違いは、こういう本当に小さな技術の差にあると言いたいのだ。
ノンプロでもプロとほとんど同じことができる。
私はバットを振ることができるし、前から来たボールも打つことができる。グラブをはめていればゴロやフライを取ることもできる。
9割5分は同じことをしていると言ってもいい。
しかし、0.06秒の差を埋めることはできない。
この僅かな技術の差がプロとノンプロに明確な境界線を引いているのではないだろうか?
これこそがプロとノンプロの違いなのではないだろうか。
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