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その6: オフェンス有利の中でのディフェンス

まずは前回のブログをお読みください。

いきなり今回の文書から入ると理解するのが少し難しいと思います(笑)

まずはさらっと2つの闘争を復習しましょう。

闘争その1は直接的闘争
・オフェンスはシュート、ドリブル、パスのアクション
・ディフェンスはスライド、ヘルプ、ブロックなどのアクション
直接的行動による闘争

闘争その2は間接的闘争
・アクティブ間接的闘争は、ショットセレクションなどのアクションを起こすこと
・ノンアクティブ間接的闘争は、ノンシューターを無視するなど、アクションを起こさない事
シュートセレクションの闘争(ただし、ノンアクティブは行動を起こさない事による闘争)

これを踏まえた上で、2つの闘争を比較しつつ、どうゲームに応用していくかを今後話していきます。

今回は闘争その1(一般的な直接的闘争における)ディフェンスの話です。



バスケは、オフェンスが有利

一般的なバスケの闘争ではオフェンスが有利だと考えます。

バスケにおいてオフェンスが有利な理由のひとつとして、

ディフェンスはリアクショナリー

というものがあります。
オフェンスは、イニシアチブが取れます。アクションからスタートします。

一方ディフェンスは、

オフェンスのアクションに対しての反応ベース

なので、その時点でどうしても優位性が出てしまいます。  

それを強く感じた例が一つあります。

学生の県大会の1回戦で、ウィンターカップ優勝候補チーム部員も少なく弱小チームと対戦する時、125-20のようなとんでもないスコアになることがありますよね?試合を観ても、ウィンター優勝候補チームは40分間フルコートプレスをかけ、ほぼバックコートでのターンオーバーでボールを奪う展開の、かなり実力差のある試合です。

僕がいつも思うのは、これだけ圧倒的な実力があっても、

弱いチームは20点も決めている

という事実です。

逆にどんなチーム間の差でも試合が成立しただけで、点数が入るのがバスケです。

オフェンスはシュートを、実質打てるのであればコート上のどこからも打てる

一方ディフェンスはシュートが打たれると、何もする事ができない

これがオフェンスが有利な部分です。

バスケの基本原則として、オフェンスが有利なことを理解するのはとても重要だと考えます。

基本原則が理解できれば、対策が練りやすくなります。

つまり、

「オフェンス有利だからオフェンスのことだけしか考えなくていい」

のではなく、

「オフェンスが有利ということを自覚した上でディフェンスを練ればより良いディフェンスができるのでは?」

という考えです。



つまり、ディフェンスが勝てば、絶対に勝てる

「オフェンスが有利とわかった上でディフェンスを考える」

これを考えた時に、あることに気づきました。

「絶対的に有利な部分を、逆に不利にすることができれば、絶対勝てるのではないか?」

ディフェンスの重要性はここにあります。

闘争その1のディフェンスは、考える上では比較的簡単ですが、選手が遂行するのは大変です。何故ならばバスケにおいて非常に高い強度とメンタリティが必要とされるものばかりだからです。

ディフェンスにおいて4つのキーアクション
・ハードなボールマンプレッシャー
・徹底的なディナイ
・ポストエントリーのフロント
・スクリーンのファイトオーバーとバンプ

バスケットボールにおいて一番簡単でかつ確実に勝つ方法は、これらのことを相手よりハードにやることです。そのためにはチーム作りの時点でこの項目の重要性を受け入れ、遂行するメンバーを集めることが重要です。日本含め、世界中のリーグで強いチームはこの4つを徹底してやってきます。

実際NBAでのレギュラーシーズンと、プレイオフの一番大きな違いはこのキーアクションのインテンシティ(強度)がかなり違うという面です。

この4つが、連動して目的を持つチームディフェンスになります。シェルディフェンスやノーミドルやノーベースなどのディレクション、そしてゾーンディフェンスなどです。

バスケの特性としては、この中にリムプロテクトというブロックの技術が入ってくるとは考えません。ブロックされたショットよりもタフな体制でのショットを打たせればディフェンスの勝ちです。

闘争の1でディフェンスが勝つと、試合に勝てます。つまり闘争その2で闘争する必要性がなくなります。

オフェンスは有利=ディフェンスが重要

これが僕の考えです。


闘争その1のディフェンスは約束事ベース

一般的なディフェンスを浸透させるには、戦術的な理解はあまり必要ないと考えます。チームの決め事を迷わず遂行する事が一番重要です。

理解ベースではなく、約束事ベース

これがキーポイントです。
戦術や理屈、コンセプトや他との比較などの理解は必要ありません。
選手は指示に徹底して従うことが一番重要です。
ディフェンスが得意な選手は、遂行力が非常に高いです。

逆に言うと、ディフェンスがうまく行くには選手に細かく指示してあげるのがベストだと考えます。大まかで曖昧な指示だと、選手たちが勝手な解釈をし出してバラバラになります。

オフェンスと違い、その場で突拍子もないことを思いつく選手はディフェンスに必要ありません。アドリブも、連動性をなくすので好ましくありません。例えば一人の選手がディナイをしないとなると、他の3人のディナイの意味が無くなります。



オープンショットをあげない

一般的なディフェンスでとても重要なのはオープンショットをあげないことです。

これは以前に、

でお話ししましたが、ディフェンスが前にいることで邪魔になります。
ディフェンスがいないか、横にいればオープンショットになります。

オープンショットとは
・速攻でのレイアップ
・フリーのジャンプシュート
・ディフェンスが横のレイアップ
・アリウープ(縦の概念の制覇)

邪魔のあるシュートとは
・チェックされたジャンプシュート
・ディフェンスが目の前にいるフローター

一般的にはシュート体制に入られた時点で、ディフェンスが非常に不利です。なぜかというと、シュート体制に入られるということはディフェンス4つのキーアクションを攻略されているからです。




優先順位をつける

ディフェンスでやらねばならないことは、優先順位化すべきだと僕は考えています。

何故ならば、全てのチームおいてオフェンスには  

・得意なこと
・高い確率で勝てること
が存在するからです。

それを、
・効率がいいもの
・再現性が高いもの
と照らし合わせ、優先順位が発生します。

簡単な例えで言うと、

3Pが得意なチームがいれば、3Pを止める=最優先項目を決め阻止

すごいダンカーが何人かチームがいる場合、所詮ダンクの数は少ないので他の部分を守ろうとする=相手の得意分野に再現性がないので優先化しない

こういった考えが生まれてくるはずです。

これに関しては、今後詳しく話します。  


先ほどから言ってますが、ディフェンスはめちゃくちゃ大事です。
その中で一番大事なのはインテンシティです。NBAでもプレイオフに入ると強度がめちゃくちゃ上がります。ほとんどのチームは、この強度に着いていけずに敗退します。

このインテンシティが同じレベルになった時、別のベクトルのディフェンスが必要になってきます

これが闘争その2である、間接的闘争においてのディフェンス、又の名を「アンチ・ショットセレクション」です。次回詳しくお話します。



最後まで読んでいただきありがとうございました。


Mark Kaijima




Instagram: @coachmarkjapan

Twitter: @mark_breakdown



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