悪材料を織り込む【転ばぬ先のテクニカル】
日経平均反発しTOPIXは続伸
本日の東京株式市場は日経平均が4日ぶりに反発、TOPIXは続伸しました。
米国市場は期待の高まる動き
11日の米国市場はNYダウが3日続伸、ナスダックも続伸しました。アナリストが目標株価を引き上げたテスラが約10%急騰し市場を牽引しました。S&P500指数とナスダック指数が共に50日線を上回り、10日線と50日線がゴールデンクロスしました。前回は3月下旬から4月上旬にかけて相次いでゴールデンクロスして、そこから7月の高値まで大きく上昇していきましたので期待の高まる動きとなりました。
買いが先行のあと上げ幅縮める
米国市場の主要3指数が高かったことで東京市場は買いが先行しましたが、昨日同様に値嵩半導体株に戻り売りが出たことで上値を重くしたことや、三菱重工、川崎重工、IHIの大手重機3社の株価が急落したことで、日経平均は寄り付き直後の282円高から、11時前には20円高まで押しました。
重機株急落は米P&Wエンジン巡る悪材料
重機株の急落は、3社が参画している米航空機エンジンのプラット・アンド・ホイットニー(P&W)が手掛けるエンジンで見つかった製造過程における欠陥を巡る回収・検査について、エアバスの中距離旅客機「A320ネオ」に搭載されているギアード・ターボファン方式エンジンが、従来、200基を回収する方針を示していたものが600~700基に変更され、来年前半には650機が飛べなくなる事態もあり得るという悪材料が出たためです。
相場が力強さ取り戻しつつあると評価
ただ、相場はこの重機3社の悪材料を織り込むように後場に入って跳ね返し、この日の高値を更新したことで相場が力強さを取り戻しつつあるとして評価できます。
75日線を回復して5日線が視野
日経平均は3日続落で75日線を割り込みましたが、その下の25日線や一目均衡表の基準線が意識されたようで、下値は今のところ11日の3万2391円と想定していた3万2400円~3万2200円にタッチしての反発です。本日の反発により再度75日線を回復して5日線が視野に入ってきました。
明日は日柄変化日
5日線自体は下向きに転じており、3万2800円台をクリアせねばなりません。また、右肩上がりのトレンド回復には9月限SQ値の3万2921.39円や6日高値の3万3322円をクリアするのが最低条件です。明日はお伝えしてきた日柄変化日が到来します。どういった流れになるのか注意深くみなければならないでしょう。