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【書評】USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-

今回は森岡毅さんが書かれた「USJを劇的に変えたたった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」の書評をしたいと思います。抽象的な概念もわかりやすく説明されていました。私と扱っている商品のジャンルが違うとはいえ、仕事との進め方が大変参考になりました。

目的と目標の違い

目的と目標の違いとは何なんでしょうか。ニュアンスに違いがあるのはなんとなくわかりますが、具体的に説明しろと言われたら戸惑ってしまいます。本書でわかりやすく説明されている文章をそのまま引用します。

目的(objective):達成しべき使命のこと
目標(target):目的を達成するために経営資源(リソース)を投入する具体的な的のこと
例)
「目的はパリ占領、目標はフランス軍」

経営資源(リソース)は主に「カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産」を指します。

戦略と戦術の違い

こちらもそのまま引用します。

戦略(Strategy):目的を達成するための資源配分の選択のこと
戦術(Tactic・Execution):戦略を実行するためのより具体的なプランのこと

「戦略的に考える」ということは?

著者が本で述べている「戦略的に考える」ということは、目的→戦略→戦術と展開していくことです。この考え方、これから働く上でとても大切だなと感じました。私は作業している時にふと「なんでこれやってるんだっけ」「これで何が説明出来るんだっけ?」と混乱する時があります。また作業の順序はイメージついているけど、それが「戦略的に考える」際のどこに該当するのか。そんな時に「目的が・・」「戦略が・・」「戦術・・」と整理するだけで作業がスムーズになると思います。

目的・戦略・戦術の明確化はさることながら、その上下関係は忘れてはいけません。本書で取り上げれている質問を引用します。

①. Good Strategy, Bad Execution(良い戦略、悪い戦術)
②. Bad Strategy, Good Execution(悪い戦略、良い戦術)
③. Bad Strategy, Bad Execution(悪い戦略、悪い戦術)

あからさまですが、上記の選択で一番最悪なパターンは何でしょうか?答えは2番目です。理由は、私の解釈では「間違った方向に、素晴らしい努力と膨大な時間を注いでいるから」です。大学受験の英語に例えます。前提として、単語を知っていないと文章を読めません。よって単語を極めることが「Good Strategy(良い戦略)」としましょう。そう考えると、最悪の選択の②は「英語の文章の1000本ノックを、毎日12時間やること」に相当するのではないでしょうか。たいして、③の方では「英語の文章の1000本ノックを、一日1時間やること」です。同じ「Bad Strategy(悪い戦略)」前者は取り返しがききづらいのに対して、後者は取り返しがききやすいです。戦略が方向性を決める上でいかに重要かわかります。

USJで行った感情に訴える施策

著者がUSJで行った施策に共通しているものは、いかに感情に訴えかけるかなのではと思いました。一つ目の例として、2010年のクリスマスイベントのTVCMを指揮を執った際、親の寂しい心理を突くような企画を練りました。それは「今いる小さな娘は将来、彼氏を作って今のようにクリスマスを一緒に過ごしてくれない」というようなものです。全国の親たちに数少ないクリスマスだと訴えました。二つ目は2010年の秋にハロウィーンナイトの際に実施したものです。著者は顧客や市場を調査していく中で、日本の女性とアメリカ在住時に行ったアンケートでのアメリカ女性とでは決定的な違いがあると気付きました。それは日本の女性の方が社会的にも文化的にもストレスを抱えがちだということです。この結果から、ストレスを発散できるようなイベントを立ち上げました。ポイントは大声や奇声を上げても変な目で見られないような環境を作ったことです。その年のハロウィーンナイトは大盛況だったそうです。これらのように著者は顧客の感情を突き詰めて施策を打ってることがわかります。


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