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選択をしたくない消費者:5万回のA/Bテストの結果からわかったこと

マーケターが肝に銘じておくべきことは、メディア運営者の思惑とユーザー側の認識とではギャップがあるということだ。
みなさんは多くのサイトの上部にある三本線のアイコンを頻繁に使うだろうか?実はハンバーガーメニューと呼ばれるこの三本線のアイコンのクリック率は意外と低いようだ。もっとも、その意味を理解をしていないユーザーすらいる。

その事から、それを逆手にとってハンバーガーメニューに「クリックすると商品一覧が現れます」といったガイドをポップアップさせる A/Bテストを実施したところ、購入完了改善率は125%となったそうだ。

自分にも思い当たる点がある。永遠と続くように感じる個人情報入力に嫌気が刺したことはないだろうか。そんな時にタイミングよく、「あと入力項目は3つです!」と表示された際は、止まりそうだった手が動き出した経験だ。自分の中で生じた迷いを払拭してくれたのだ。

ランディングページはなるべく選択肢を減らすべきだ。リンクが張り巡らせたページなんか、いよいよユーザーのゴールとメディア側のゴールがわからなくなる。こちらが良かれと思っていることが、かえってユーザーを消耗させて、離脱を助けている可能性がある。

有名なジャムの実験をご存知だろうか?2000年に心理学者のマーク・レッパー博士とシーナ・レンガー博士が行った食料品店でやったジャムの実験だ。24種類のジャムを設けている棚と6種類のジャムが用意されていた棚ではジャムが少なく設けられた後者の棚の方がより購入された。面白いのが24個のジャムが設けられていた棚では1割引のキャンペーンが行われていたという事実だ。選択肢は少ない方が良い。

これらの例から何が言えるだろうか?
最初のA/B テストの例では消費者に少しでも選択肢を増やすような設計・迷いを生じさせるような設計は離脱につながるということだ。三本線の意味もわからないユーザーが果たして購入・成約に至るまでどれほどの思考を駆け巡らす必要があるのだろうか?

下の画像を見てほしい。

 Wista

これはビデオホスティングWistaのサインアップページだ。海外のサイトでよく見かける形式のフォームな気がするが、デカデカとしていてわかりやすい。この目の前にして何をするべきか迷う人は少ないのではないか?会員登録するまでの手順を限りなく省略している。

学んだこと

個人的に、三本線のハンバーガーメニューを理解していないという事実には驚いた。ただ、考えると、どのユーザーも新しいサイトに訪れた際はサイト初心者だ。ハンバーガーメニューに限らず、迷いを生じさせるポイントは必ずある。それをどれだけ減らせるか。弊社のウェブサイトは内部リンクが蜘蛛の巣のように張り巡らせている。個人的には「すげぇ邪魔だな」「なんか多くねぇか?」と疑問に思っていた。初めてのサイト体験を良くするためにはウェブサイトの最適化は必要だ。


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