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ゼレンスキー演説は、マーケティングのお手本

ウクライナ・ゼレンスキー大統領の演説が、世界の称賛を集めてます。

日本でも見事なスピーチを披露し、経済支援を引き出した。日本だけじゃない。ドイツ・イギリス・アメリカなど多くの国が、このスピーチに感銘を受けて、支援・協力に動いてます。


もし日本の政治家が同じことをしたらどうなるだろう・・想像するとちょっと寒くなりますが、それにしても、なぜ彼のスピーチはこれほど多くの国を感動させ、行動を促すことに成功しているのか?

やはり最大のポイントは、既に様々なメディアで言われている「相手国に合わせて文章を構成している」ことでしょう。ちょっとアレンジとかのレベルじゃなくて、本当に相手国によって全く違う内容にしてる。相手国の国民の価値観や琴線に触れる事象・キーワードを、とても効果的に文章に盛り込んでる。


つまり、相手(顧客)のことを徹底的にリサーチ・研究して、それに合わせてスピーチ(商品)を作っている。


これ、まさにマーケティングの基本中の基本です。てか、全てのビジネスの出発点であり本質でもある。かのドラッカー名著「マネジメント」の最も有名な一節「企業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造である」そしてマーケティングの神・コトラーいわく「顧客を理解すること。そして顧客ごとの異なるニーズを見抜くことが重要だ」

二人の偉人が語るように、ビジネスとは、商品ありきでなく、まず顧客ありき。だからマーケティングにおいても、大抵リサーチから始まる。それによって“何が求められているか”を把握した上で、商品を“どう進化させるか”を検討する方が、成功確率は当然上がります。逆に、顧客のニーズを無視して開発した商品は(今の時代あまり無いですが^^;)ほぼほぼ失敗します。


ゼレンスキーのスピーチは、この基本原則を忠実に貫いた。各国の首脳・国民が持つ価値観や、どんな事象・言葉を盛り込めば共感を得られるか?をきっと徹底的に調べて研究したのではないかと想像します。

ドイツ向けの演説では「Wall(壁)」を16回も繰り返し、「壁を壊そう」と呼びかけた。イギリス向けにはシェークスピアやチャーチルの有名なフレーズを引用した。アメリカ向けには「自由」を9回繰り返し、真珠湾攻撃と9.11に言及した。そして日本には、3.11の慰霊まもない中で「原発」「故郷への帰還」といったワードで記憶に訴えかけた。


これほどの危機的状況の中で、本来ならば自国の主張を声高に一方的に訴えて同情を得ようとするのが普通です。でもそれ以上に、相手国に確実に動いてもらうために、どういうスピーチがベストかを考え抜いたんだと思います。その結論が、戦略的・効果的なスピーチ外交を展開することで世界を動かそうというチャレンジでしょう。


成果は、着実に出始めているのではないでしょうか?どうか1日でも早く、ウクライナに平穏が戻ることを切に願います。

最後までお読みいただきありがとうございましたm(._.)m

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